「情報公開」が信頼につながった
- 北井
- 一方、私も広報に来てびっくりしたのは、震災後「湾岸から内陸に逃げている」とか、非常にドラスティックに変わったと報道されていたことです。が、実際の現場はどうだったかというと、この『Good Answers』からピックアップされた2名の方のご意見、まさにこれが支配的なものだと実感します。
- とはいえ、ここで考えなければいけないのは、現場に来ているお客さまは、マンションを探している方なんですね。販売センターへいらっしゃっていない、マンションを探していらっしゃらない、もっと潜在的な方々は、よりマスコミが展開されているものに近いマインドを持っているかもしれない。
- 販売センターまで足を運んでくださる方は、ある程度冷静になられているので、そこは差し引いて考えなければいけないと思っています。東雲では一つのモデルルームをつぶして、安心安全の基準をより細かくプレゼンするステージにあてたのですが、食い入るように見るというよりは、再確認ができたとご納得される場面の多いことが印象的でした。
野村不動産 広報部 マネジャー
北井大介氏
- 坂根
- 基礎杭の大きさをカーペットの色の違いで表現したり、防災備蓄倉庫の備品を壁一面に飾ったり、端的でわかりやすいなと。
- 川合
- 一つ一つのネタというより、全体的な信頼感が醸成されたと思います。液状化対策を具体的にやっているとか、家具転倒防止の具体的なディスプレイを見ていただいているなかで、その後の直接的な評価がありました。賃貸住宅に住んでいらっしゃる方などは、家具転倒防止が今まではできなかったけど、分譲マンションならできるとか。
「プラウドタワー東雲」販売センター内に展示された地盤情報
- 坂根
- 躯体の一部を模型で展示するデベロッパーもありますね。建物の模型の下に基礎杭も組み合わせるのは、今後全部でやっていくのですか?
- 北井
- いまのところは考えていませんが、現場同士のコミュニケーションのなかで、これをやったことによってお客さまの信頼を勝ち得た、となればタイムリーに共有し、うまく取捨選択していきます。製販管一体が従来からのうちの強みですから。
- 川合
- いま、坂根さんにおっしゃっていただいたように、実物をイメージできると、やっぱりわかりやすいかなというのがあります。
野村不動産
商品開発部長
川合通裕氏
- 坂根
- そうですね、見えない部分ですから。
- 川合
- 防災倉庫は、写真1枚でも「こんなのあるんですか?」と聞かれます。今後防災コーナーは、どのデベロッパーもくわしく説明するようになるでしょう。
1-震災後、分譲マンションの安全性はどこまで向上した?
2-三菱地所レジデンス「ザ・パークハウス」の防災新基準
3-抜本的に見直し、三井不動産レジデンシャルの防災基準
4-野村不動産のマンション「プラウド」の防災対策
5-「プラウドタワー東雲」第1期250戸即日完売の舞台裏
6-「ザ・パークハウス晴海タワーズ」公開ひと月後の反響
7-震災後、“都心部のタワーマンション”に対する評価
8-マンション業界のブランド戦略~顧客接点の模索
9-「注目の都心マンション」と購入希望者へのアドバイス
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