世界遺産/アジアの世界遺産

宗廟/韓国(4ページ目)

ソウルにある朝鮮王朝の聖地・宗廟は、歴代の王や王妃の位牌を祀り、先祖の魂を招いて国家繁栄・天下太平を祈った王朝のまさに中心地。そして神々を降臨させる祭祀は宗廟祭礼と呼ばれ、こちらは世界無形文化遺産に登録されている。今回は宗廟を中心に、宗廟祭礼と、ソウルにある「昌徳宮」「朝鮮王朝の王墓群」というふたつの世界遺産の概要も紹介しよう。

長谷川 大

執筆者:長谷川 大

世界遺産ガイド

宗廟への道

中池塘

四角い池に丸い島が浮かぶ中池塘。天と地の調和=平和を祈念しているといわれる。天円地方の考え方は、天壇をはじめ、中国・北京の歴史的建造物でもしばしば見かけられる

■エアー&ツアー情報
宗廟観光の基点はもちろん韓国の首都ソウルだ。最寄りの仁川国際空港・金浦国際空港へは、さまざまな航空会社が日本各地から直行便を出している。

宗廟や昌徳宮を訪ねるツアーもたくさんあるが、どちらもソウル中心部にあって、個人でも簡単に訪ねることができる。

■周辺の世界遺産
ソウルでは3つの世界遺産を見ることができる。本文中で紹介した「宗廟」「昌徳宮」「朝鮮王朝の王墓群」だ。

水原華城の八達門

第22代国王・正祖が造った計画都市・水原華城の八達門

また、ソウルの隣の広州には「南漢山城」、ソウルから30kmほどの位置に水原の「華城(ファソン)」がある。少々あわただしい旅になるが、高速バスや高速鉄道KTXを使えば「慶州歴史地域」「韓国の歴史的集落群:河回と良洞」なども訪ねることができる。

オススメしたいのは、北京とソウルを同時に訪ねる旅だ。本文中に書いたように、北京もソウルも同じような思想で造られた街。比べてみるとおもしろい。また、北京には6件もの世界遺産がある。ソウルと合わせれば、一度の旅で10件の世界遺産を訪ねることも不可能ではない。

 

宗廟のベストシーズン

望廟楼

望廟楼。宗廟を訪れた王はここで身体を休め、中池塘を眺めて心を静めた

ソウルの夏の平均最高気温は25度、冬の平均最低気温は-3度。東京よりもやや気温が低い。降水量は、日本と同じで夏に多く冬に少ない。6~9月は東京より雨が多い一方で、冬は東京より雨が少ない。

宗廟のクライマックスはなんといっても世界無形文化遺産にも登録されているの宗廟祭礼だ。非常に混むし、交通も規制されるが、毎年5月の第一日曜日に開催されているので、機会があればぜひ。

世界遺産基本データ&リンク

【世界遺産基本データ】
登録名称:宗廟
Jongmyo Shrine
国名:大韓民国
登録年と登録基準:1995年、文化遺産(iv)

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