多くの日本人が失ってしまった何かが、しっかり残っている靴!

フルブローグ(外羽根式)

躍動感のある外羽根式のフルブローグです。底付けのオプションで表情を一番変化できてしまうのは、何と言ってもこのデザイン。もちろんアッパーの種類の違いでも個性が発揮できます。マッケイ製法+コバ出し縫い。これと同じ仕様で10万8150円(小笠原シューズ TEL:042-461-6673)

アッパーはフレンチカーフやスエードを中心に常時十数種類が用意され、料金の追加でコードヴァン(プラス1万500円)や、近年は手袋の素材として人気の高い、弾力に富んだ素材故に靴に纏めるには難度を極めるペッカリー(プラス1万5750円)も選択可能です。

対照的にライニングは、ナチュラルカラーの牛革一種類のみに敢えて絞り込んでいます。ここの色まで選べるものが多い今時のパターンオーダーとしては珍しい傾向ですが、小笠原シューズが絶大な信頼を持って長年使い続けているもので、抜群の着用感を一度知ると足がこれしか受け付けなくなるほどの優れた品質には、確かに他の選択の余地は残されていないでしょう。

アウトソールもレザーのみならず、前述の通り底付け方法が限定されるものの、ダイナイトリッジウェイそれにコマンドなど靴好きにはお馴染みのラバーソールも選択可能です。レザーソールの場合でも、オプション料金こそ掛かってしまいますが、ダブルソール(プラス2万1000円。九分仕立てのみ対応)やハーフミッドソール(プラス1万500円)、それにかかと部にも出し縫いをかます「ダブルウェルト(プラス1万500円)」にも対応してくれるので、特に外羽根式の靴なら全体像を相当変化できます。因みにレザーのアウトソールやミッドソールそれにインソールには、一般的にはそれほど知られていないものの靴職人の間では非常に評価の高いイタリア製のものを用いています。
ナチュラルカラーのライニング

色付きのものが流行る中、シナンドではライニングはナチュラルカラーの牛革のみに敢えて絞り込んでいます。吸湿性など着用感の良さに絶対の自信を持っているのと共に、靴を無闇に目立たせるのを善しとしない、このブランドの姿勢を示しているかのような謙虚な選択です

「あくまで実用品として使い込むのを通じて、持ち主が育ててゆける靴」。συναντωのパターンオーダーの靴について、工場長の根岸さんはそう謙虚に答えてくれました。小笠原シューズがこれまで維持・深化させてきた手仕事の技を惜しげもなく注ぎ込んでいるにもかかわらず、オプション料金も含めて価格設定が申し訳ない位にリーズナブルなのも、靴作りに対するそんな真摯な姿勢の表れでしょう。極めて普遍的な造形故、作り手のメッセージみたいなものでギラギラと飾られたような靴では、決してありません。まるで湯上りの美人画の湯気のような、周囲にスーッと自然に溶け込んでしまいそうな存在。

でもね、ヒステリックかつ声高に主張したり短絡的に煽ったりすることばかりが氾濫する昨今にあっては、この靴のようにまずは自らやるべき事をどんなに小さなことでも、そしてどんなに目立たないことでも手を抜かずに一つ一つ実践してゆくことが、表向きには多くを語らずとも逆に最も説得力を持った「主張」になるのです。その種のパラドックスを見抜ける聡明な方にこそ、是非ともこの靴を履いていただきたい。そして、このような靴を自然に履きこなせる聡明な男性が、この国に少しでも増えて欲しいと願わずにはいられないのです。

■συναντω(シナンド)パターンオーダー紳士靴
・基本デザイン:9種類
・底付けの方法:5種類
・サイズ:2E(22.5~27.5)3E(23.0~27.0)共に0.5刻み
→貼り物等での微調整は無料。左右別サイズでの発注も可能。
・価格例:マッケイ製法で9万4500円~。ハンドソーン・ウェルテッド製法九分仕立てで13万6500円~
→いずれも税込み。底付けの方法やアッパーの素材等で価格が変動します。なお、2足目以降でシューツリーが不要の場合は、これらの価格より税込み1万500円が差し引かれます。
・納期:発注から約2カ月

【お問合せ先】
■小笠原シューズ
住:東京都西東京市南町2-2-8
地図: Yahoo!地図情報
TEL:042-461-6673 (平日の13:00~16:00のみ対応可能です)
HP:小笠原シューズ

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