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満を持して登場! シナンドのパターンオーダー紳士靴(3ページ目)

小笠原シューズと言えば、日本の手作り靴の灯を守り続けてくれた最大の功労者でありながら、これまで影武者に徹していた存在。ここが「συναντω(シナンド)」の名で、オリジナルのオーダー紳士靴を遂に開始しました。今回はパターンオーダーを採り上げますが、穏やかで落ち着いた中に唸らせるものが溢れるその佇まいは、フルオーダーと全く同様です。

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

技術力を裏付ける多彩な底付け!

ダブルモンク

バックル&ストラップ系の紳士靴ではダブルモンクが用意されています。スーツではなくジャケット&トラウザーズの装いが主流の方なら、大活躍すること間違いなし! ハンドソーン・ウェルテッド製法九分仕立て。これと同じ仕様で14万700円(小笠原シューズ TEL:042-461-6673)

靴のシェイプを決める木型については、こちらも極めてオーソドックスな風貌を持つアーモンドトウのものを、足囲が2E(22.5~27.5)と3E(23.0~27.0)で用意してあります。2Eと言っても英国靴の一般的なEより僅かに細く、3Eはそれより多少太い程度なので、大抵の人の足に自然と合うはずです。パターンオーダーですので木型を削る修正こそできませんが、小指があたるなどの場合は貼り物等での微調整は無料で行ってくれますし、左右で異なるサイズでの発注にも応じてくれます。

また底付けの方法は、以下の5種類からの選択が可能です。各デザインの基本価格も合わせて記載しておきましょう。
1.マッケイ製法:9万4500円~
アッパー、ライニング、インソール、アウトソールを靴の内部で一気にマッケイ縫いして完成させるシンプルな底付けです。

2.マッケイ製法+コバ出し縫い:10万5000円~
1.で底付けされたアウトソールの端に、飾りで出し縫いを掛けます。

3.ブラックラピド製法:11万5500円~
まずアッパー、ライニング、インソール、ミッドソールを靴の内部で一気にマッケイ縫いし、更にミッドソールとアウトソールとをそれらの端部(コバ)で出し縫いして完成させます。1.と4.の混合形とも言えるので、マッケイグッド製法とも呼ばれます。

4.ハンドソーン・ウェルテッド製法九分仕立て:13万6500円~
アッパー、ライニング、インソール、ウェルト(細革)をインソールの底部でまず手で掬い縫いし、中物を詰めた後にウェルトとアウトソールとをそれらの端部(コバ)で機械を用いて出し縫いして完成させます。なお、アウトソールにラバーソール系のものを選択する場合やレザーのダブルソール仕様を選ぶと、底付けは自動的にこれになります。

5.ハンドソーン・ウェルテッド製法総手縫い:18万9000円~
4.の出し縫いも手で行う底付けです。
三分割シューツリー

シナンドのパターンオーダー紳士靴には、ご覧のような3分割式のシューツリーが無料でついて来ます。奥にある棒は、靴本体から外す際に中央部の穴に通すもの。なお、2足目以降でシューツリーが不要の場合は、1万500円が差し引かれます。

価格そのものは1.から5.へと高くなって行きますが、それは底付け方法の優劣を示すものではありません。例えばとにかく軽快な靴をご希望ならマッケイ製法、安定した履き心地を追求したいならハンドソーン系の製法など、靴の用途目的に合わせて選択するのが賢明でしょう。それにしてもパターンオーダーでこれだけ底付けの種類が選べてしまうところって、実は他にはありません。これぞσυναντωの底力!


アッパーやライニング、アウトソールの種類については最後のページへ!
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