栄養管理/栄養管理の基礎知識・食事バランスガイド

働く親向け・家族をみんなを守る食事管理

働く親にとって毎日の食事の準備は大変なものです。家族のために健康的な食事を提供したいと思っていても、忙しくてそう簡単にいかないことも。今回は忙しい親でも食事を通して家族の健康を守る方法を紹介します。

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

「今日は何を作ろう」、「作る時間がない」、「忙しくても家族の栄養が気になる」、多くのワーキングママ・パパが悩むこと。私も仕事をしていますので、子供を迎えに行って帰宅するとあっという間に夕食の時間という毎日です。仕事をしている平日は調理に30~40分くらいしか掛けれません。今回はガイドが考える家族みんなが元気になれる食事プランについてです。

食事管理の目標

1)子供は成長に必要な栄養をしっかり摂取し健康的な食習慣を身につける。
2)大人は病気を予防し元気よく活動できる食事を心掛ける。

働く親の食事管理のポイント

サラダ

サラダを足して簡単に栄養バランスアップ

1)簡単シンプル
品数が少なくても、調理がシンプルでもいいので無理をせずに家庭の味を提供する。
2)メリハリをつける
週末は凝った料理や好物料理を楽しみ、平日は簡単で栄養がとれるものを準備するなどして平日・休日のメリハリをつける。
3)食材数は1週間単位で
1日単位で食べる食材数は少なくても、1週間単位では色々な食材を使うようにして栄養バランスを整える。
4)楽に楽しく
食事を一生懸命準備しすぎてストレスにならないようにしましょう。お惣菜を取り入れたり、切った野菜を市販のタレであえたり工夫してみましょう。食事は大切な団欒の時間でもありますので調理の段階でバテてしまわないように。また簡単に作れる食事の作り方を本などでチェックしましょう。

サンプル簡単朝ごはん

・パン、シリアルなどの主食
・チーズ、牛乳、豆乳、ヨーグルトなどたんぱく質がとカルシウムが豊富なものを1~2品
・果物
・卵(オプション)

出勤・登校前でほとんど余裕がない朝は、パンやシリアルを主食とした洋食はどうでしょう。包丁や火を使わない簡単なものばかりです。和食よりも手が掛からず、自然と低塩食になり、日本人に不足しやすいカルシウムやたんぱく質が摂りやすくなります。子供は成長に必要なたんぱく質十分に摂取できるようにチーズ、牛乳、豆乳、ヨーグルトなどを使うとよいでしょう。切る手間が掛からない、ぶどう、オレンジ、みかん、いちごなどのフルーツも朝食に加えてビタミンや食物繊維をアップさせましょう。昼や夜に卵を食べる予定がない場合は朝食でゆで卵やスクランブルエッグを食べるとビタミンB群と良質なたんぱく質が摂取できます。卵は1日1個程度が目安。食べすぎはよくありませんが、適量食べれば豊富な栄養源です。

ガイドが個人的に実践していることは、シリアル・ヨーグルト・果物であっても、同じ物や同じメーカーの商品ばかりを買わずにとにかく色々な種類をローテーションすること。栄養素、添加物、味・歯ざわりなど、同じものばかり摂らずに変化をもたせるためです。上記のメニューで不足しているのは鉄分ですが(シリアルに鉄分が添加されていない場合)、昼食・夕食で補います。

我が家では調理時間や栄養管理の面から、平日と週末の朝ごはんにメリハリをつけています。週末は子供の大好きな納豆&ごはんをメインにした和朝食や、家族みんなが好きなホットケーキや朝食マフィンを焼いたり、夫が好きなカリカリベーコンを焼いたりします。週末の食事はみんなの好物を楽しんだり、食文化の伝統継承の場にしています。子供にも料理を手伝ってもらったりします。

サンプル簡単昼ごはん

・麺、ご飯、パンなどの主食
・肉、魚、又は豆腐などのおかず
・野菜

お昼は親はお弁当だったり、外食だったり、子供は給食だったりと様々のはず。基本的に上に挙げた3点が取れていれば、お昼ごはんの栄養バランスは合格です。量の目安はそれぞれ1/3程度。麺類など炭水化物ばかりの食事、ごはんと揚げ物だけといったような炭水化物と脂が多い食事にならないように注意しましょう。

ガイドの場合、夫のお弁当が作れないときは「お昼に野菜食べてよ」と言って送り出します。野菜が入ったメニューは自然に他の栄養バランスも取れていることが多いためです。日々の小言に「またか…」と思うかもしれませんが、頭のどこかにインプットされているようです。野菜を食べなかったからと言って夫を叱ることはありませんが(笑)、お昼の外食で何かヘルシーなものを食べたときは「今日は○○を食べた」と自己申告してくることもあります。やはりどこかで気になっているのでしょう。

サンプル簡単夜ご飯

・ごはん、麺、芋などの主食
・たんぱく質 (アボカド、豆腐、豆、魚介類、牛肉、鶏肉、豚肉など)
・野菜、きのこ、海藻など朝と昼に不足しやすいもの

個人のスケジュールによると思いますが、30分くらいで準備できる料理のレパートリーを増やすと便利です。短時間で栄養バランスの整った食事が準備できる本なども売られていますので是非チェックしてみましょう。朝食と昼食であまり食べない食材を積極的に使うようにしましょう。上に挙げた3点が取れるように注意しましょう。

夕食は家族の食育、栄養管理、団欒の場として私にとって最も重要な時間です。そうはいっても勤務後ですので食事の準備にはあまり時間が掛けられませんが、特に凝った料理でなければなんとか準備できます。炒め物や短時間でできる煮込み物もよく作りますし、圧力鍋やオーブンもフル活用しています。

ガイドが実践しているのは、にんにく、玉ねぎ、ねぎ、生姜などの薬味的な食材を多用することです。食べ物の風味が増すだけでなく抗酸化作用や抗炎症効果なども期待できるからです。また、同じ食材を使わずに様々な食材を使うようにしています。例えば主食なら白米、麦飯、麺、さつまいも、じゃがいも、パン、トルティーヤなどをローテーションで使っています。たんぱく質が多い食品もアボカド、豆腐、豆、魚介類、牛肉、鶏肉、豚肉、七面鳥などをローテーションで回しています。ガイドの場合、1日当たりの食材の種類はそれほど多くないですが、1週間当たりの食材にバラエティーがでるようにしています。「お米を食べないなんて…」なんて言われそうですが、メインディッシュにあう主食を選んでいると自然にこうなるのです。油もキャノーラオイル、オリーブオイル、ごま油を用途によって使い分けて同じものばかりを摂らないようにしています。

スナック・間食プラン

・ナッツ類(くるみ、アーモンド、ピーナツなど)
・ドライフルーツ
・果物
・乳製品

間食には体によい脂を含むナッツを摂取したり、鉄分などのミネラルを多く含むドライフルーツがお勧め。全体的な日々の栄養バランスを手軽に整えることができます。子供にも大人にも最適な間食ですが、大人の場合はカロリーの面から食べ過ぎないように気をつけて下さい。
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