和室は必要か? 両親+子ども2人の4人家族で3LDKを購入するとき
今回は「両親+子ども2人」の4人家族が「3LDK」を選ぶことを想定して、間取り選びのコツをお伝えします。この家族構成では、子どもがある程度成長した段階で必要な個室数は夫婦1室、子ども室2室の計3個室。ですから、基本的に3LDKでも対応可能となります。3LDKの標準プランでは都市部のマンションを除きリビングに接して和室が設けられることが多く、そこでカギになるのがこの和室の使い方です。子どもが個室を欲しがる年齢になった時に困らないように各室の使い方をしっかりシミュレーションしておきましょう。
横長リビングの間取りは要注意
今回モデルプランとして横長リビングの間取りを取り上げます【図1】。横長リビングは通風・日当たり条件の良いバルコニー側にリビング・ダイニングを横長に配置することで、和室が奥に追いやられる「LD重視型」の間取りとなります。子どもが一人だけの場合もしくは2人でもまだ小さいうちは、和室はいわゆる「予備室」となり、この間取りでも充分日常生活を送れます。しかし、2人の子どもが大きくなってそれぞれ個室を要求した時は、この和室も個室として使用しなければなりません。その場合「和室を夫婦寝室にすればよい」と考える人がいるようです。もしそう考えるとしたら、以下の点に注意してください。
和室は寝室に適しているか?「寝るだけ」ではない寝室
実際に、この間取りプランの位置にある和室は夫婦寝室として使いやすいでしょうか?プライバシーが確保しにくい点はもちろん、意外と気がつかないことが多いのですが、寝室はただ寝るだけではなく、個人の荷物を置いたり着替えたりする場でもあるのです。和室の活用の仕方をシミュレーションしてみる
夫婦のどちらかが仕事から帰宅したあとの動きに注目してみましょう。だいたい次のような動きになると思います。(1)外出着(スーツ)で帰宅
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(2)カバンを置く
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(3)部屋着に着替える
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(4)脱いだスーツをハンガーに掛ける
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(5)夕食またはお風呂、またはリビングでくつろぐ
今回のモデルプランで和室を夫婦寝室と考えた場合、(2)~(4)をする場に困ってしまうと考えられます。まず(2)のカバン置場。和室だと収納はクロゼットではなく布団収納用の押し入れとなることが多く、カバンをどこに収納するか工夫をしないといけません。定位置がなければ出しっぱなしになる恐れがあり、それは避けたいところですよね。
着替え、洋服掛けのスペースはある?
次に(3)の着替えですが、このモデルプランの位置にある和室はリビングインであることや、どちらかというとリビングに付属した和空間という意味合いが強く、個室としての独立性は低くなります。くつろぐ家族の横で着替えはしにくいものです。
そして(4)の脱いだ服の置き場所ですが、前述したように押し入れは布団収納用の造りをしているため、ハンガー掛けの洋服の収納にはひと工夫必要です。押し入れにハンガーパイプをつけるか、和室の中に洋ダンスを設置するかいずれかが必要になるでしょう。5畳の部屋で夫婦が就寝するために2組の布団を敷き、洋ダンスを置くとなるとスペースはギリギリとなるでしょう。
子ども部屋を多様に活用する
そこで提案したいのが子ども室の使い方です。外廊下側の洋室2室を子ども室として使う場合、どちらかの部屋のクローゼットの一部を両親の着替え及び荷物置きスペースとして確保しておくのです。そして両親は就寝の時だけ和室を使います。限られたスペースで家族全員が快適に暮らすためには、このようにある程度の兼用スペースも必要かもしれません。各室の使い方については前もって家族で話し合っておくことが大切です。繰り返しになりますが、4人家族で個室数が3つ(3LDK)の場合、将来的に子どもにそれぞれ個室を与えようと考えた時、和室の位置や使い方がカギとなります。
今回の例のように横長リビングの間取りを選択した時は和室の独立性が低くなること、その場合一部屋あたりの用途をいくつか兼ねて計画するなど「ひと工夫」が必要となることを念頭に置いておきましょう。
将来の生活をシミュレーションして購入しよう
横長リビング形式の間取りは現在とても人気があります。明るくて開放的なリビング・ダイニング、そして明るいキッチンと、始めはいいこと尽くめだと購入したとしても、家族構成や将来のこと、家族の生活の流れをちゃんとシミュレーションしておかないと、将来どこかにしわ寄せがきてしまいます。縦長リビングの間取りを選択すると和室がバルコニー側に面するので、日照・通風が期待でき、将来的に個室としての使い勝手がよくなります。ここを子ども部屋にすることも考えられ、幅がぐんと広がります。
【参考記事】マンションのリビングは横長・縦長どちらがいい?
このように、4人家族で3LDKを購入する場合、子どもたちが大きくなったら「和室の使い勝手」が決め手となります。ぜひそのことを念頭に入れて間取りを選ぶようにしてください。
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