マンション購入術/マンション情報収集術

少子高齢化で変わる住宅地図(前編)(2ページ目)

少子高齢化が進むと、私たち日本人がかつて歩んできた住宅立地に逆戻りすることが予想されます。60年後の東京圏をはじめとする大都市圏の住宅地図が、1950~60年代の住宅地図に戻ってしまう?その理由をご説明します。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

東京圏の住宅地が都心20キロ~30キロ圏内に縮小する理由
その2:40キロ圏以遠の郊外は空家化が進む 

人口の減少に加え、2つ目の理由は産業構造の変化です。1987年から始まり、1990年代初頭に崩壊したバブル時に70キロ圏まで拡大した郊外の住宅地には、現在、空家の増加が顕著です。特に40キロ圏から70キロ遠で顕著となり、平成20年には60~70キロ圏で空家率が15パーセントに達しようとしています。

空家は第二次産業の工場のあった地域に多く発生しています。これは近年の地方や海外へ工場が移転し、第二次産業が衰退し、そこで働く人がいなくなり、住んでいた周辺の住宅が空家になるからです。

就業者数が多い第三次産業は、郊外よりも都市部に集成している 

第二次産業に変わって、就業人口が伸びているのは、第三次産業です。なかでも就業者数が多いのは「卸売・小売業」、増加率が高いのは「労働者派遣業」「社会保険・社会福祉・介護事業」「寮術業」「情報処理・提供サービス業」です。こうした産業は、人が集まる大都市の、しかも都心部に集積しやすいため、就業人口は郊外から雇用力のある都心部へ移動します。

特に情報処理・提供サービス業を含む「情報通信業」の就業者数は全国1位が東京都です。また、1980年=100としたときの産業別GDPの変化の割合をみていくと、一番成長率が高いのは、金融・保険業で1980年から20年でGDPは2倍になったのに対して鉱業のGDPは4分の1です。当然ですが、金融・保険業の中心は東京都心部です。

就業者のなかでも、若者ほど雇用力があり高年収が得られる地域に移動するので、今後はより都心に立地する業種に若者が集中し、仕事場に近接した都心に住まいを求めます。半面、郊外へ仕事や住まいを求めて移り住んでくる人は減少するのです。したがって、将来にわたり、都心へ人口は集中し続けることが予想されるのです。

3つ目の理由は、次回「少子高齢化で変わる住宅地図(中編)」でご説明します。

【関連記事】
少子・高齢化で変わる住宅双六(前編)
少子・高齢化で変わる住宅双六(中編)
少子・高齢化で変わる住宅双六(後編)
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます