ベジタリアンのメリット・デメリット
野菜には健康効果がいっぱい!
ベジタリアンはガイドが住むアメリカでは広く受け入れられており、レストランやスーパーなどでもベジタリアン向けの料理や食材が豊富に揃っています。大学の栄養学部でベジタリアン栄養学の講義を行っているところもあります。私が勤務する急性期病院でも、ラクトオーボベジタリアン食、ビーガン食を選択することができます。学校給食でベジタリアン食を提供するケースも増えてきています。
私もこれまで、妊娠中のベジタリアン、透析中のベジタリアン、がん治療中のビーガン、ビタミンB12が不足して神経障害が出たビーガン、子供がファッション的にベジタリアンをやって栄養不足になり困っている母親など、様々なケースのベジタリアンを見てきました。ベジタリアンには多くの健康的な利点がありますが、きちんとした栄養の知識が無いと栄養不足になって健康に支障が出る場合もあります。今回は健康効果と栄養学的に注意したい点をご紹介します。
ベジタリアンのメリット・健康効果
きちんと計画されたベジタリアン・ビーガン食は栄養学的に十分な栄養を補うことができ、心筋梗塞、高血圧、糖尿病、直腸がん、前立腺がんなど一部の病気の予防や改善に役立つと考えられています。がんとベジタリアンについては様々な研究が行われていますが、肺がん、乳がん、子宮がん、胃がんでは、ベジタリアンとベジタリアンでない人に有意差はないという見解もあるようです。ベジタリアンの健康効果は、飽和脂肪酸、コレステロールの摂取が少ないこと、そして多くの食物繊維、マグネシウム、カリウム、ビタミンC、葉酸、カロテノイド、フラボノイド、フィトケミカルを摂取できることにも関連しているようです。ただし、ベジタリアンはきちんとした栄養管理をしなくては栄養素が不足してしまうこともあります。次のページでは、ベジタリアンの人が注意するべき栄養素である、たんぱく質、オメガ3脂肪酸(EPA/DHA)、鉄分、亜鉛、カルシウム、ビタミンB12、そして妊婦・授乳婦とベジタリアンについて順に説明します。フィチン酸やシュウ酸など、特にベジタリアンの栄養管理で注目される栄養素なども含めてお話します。