洗面/洗面台・サニタリーの基礎知識と選び方

サニタリー(浴室・洗面室・トイレ)空間の配置プラン

サニタリーとは、浴室、洗面室、トイレなどの意味。家族みんなが日々使用する、それらの空間の使い勝手(洗濯動線や収納、安全性など)の善し悪しは、暮らしの快適さにも影響を及ぼすものです。ここでは、間取りの中でのサニタリー全体の配置プランの考え方についてまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

サニタリーとは、浴室・洗面室・トイレのこと

浴室も洗面室も、清潔さはもとより、より快適性やデザイン性を高めた提案が多くみられる。[Lクラスバスルーム]undefined パナソニック エコソリューションズundefined

浴室も洗面室も、清潔さはもとより、より快適性やデザイン性を高めた提案が多くみられる。[Lクラスバスルーム]  パナソニック エコソリューションズ 

サニタリーとは、「衛生」「衛生上の」などのこと。一般的な住宅の場合は、浴室、洗面室、トイレなどの衛生スペースである水まわり空間の総称として用いられ、浴室と分けて、バス・サニタリーというケースもあります。

家族みんなが日々使用する空間であり、住まいの中での配置、快適さや清潔さ、使い勝手には十分な配慮が必要です。家族構成やライフスタイル、プライバシーなども注意しておきたいポイントでしょう。

サニタリー空間には3つのスタイルがある  

トイレと洗面室を一体化したスタイリッシュなデザインの空間。[サティス]undefinedLIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

トイレと洗面室を一体化したスタイリッシュなデザインの空間。[INAX サティス] LIXIL

サニタリー空間のプランニングは、3つのスタイルに分けることができます。
  • 「浴室」「洗面室」「トイレ」がそれぞれ独立したタイプ
  • 「浴室」と「洗面室+トイレ」に分けたタイプ
  • 「浴室+洗面室+トイレ」をひとつの空間にまとめた(スリーインワン)タイプ
日本の住宅で最も一般的なのは、それぞれが独立したタイプ。「浴室」「洗面室」を隣接させ、トイレを別に設ける、というレイアウトでしょう。「洗面室」は「脱衣室」としての機能を持つことが多いため、多く取り入れられているプランです。

「浴室」と「洗面室+トイレ」に分けたり、スリーインワンのスタイルは、狭小敷地などでスペースを有効活用するために取り入れたり、夫婦ふたりなど家族が少ないケース、二世帯住宅や寝室に隣接させて設ける場合などでみられます。

住まいのどこに、どう配置するかは、ライフスタイルに合わせて

ウォークインクロゼットと隣接させた洗面空間であれば、着替えもしやすい。 [エスクアLS]undefined TOTOundefined https://jp.toto.com/

ウォークインクロゼットと隣接させた洗面空間であれば、着替えもしやすい。 [エスクアLS]  TOTO 

サニタリー空間を住まいのどこに、どう配置するかは、間取り全体に関わるもの。家族がどんな動きをするのか、一日の流れをイメージしながら検討することが大切です。

たとえば、就寝前や起床後すぐに入浴するのであれば、寝室や子供室などのプライベートゾーン近くに配置するといいでしょう。ご家族に高齢の方がいらっしゃる場合も寝室に近い配置は適しています。また、寝室から繋がるウォークインクロゼットを通って、サニタリーに行くことができるプランも考えられます。着替えなどが用意しやすく、洗面室の収納を兼ねることもできることがメリットでしょう。

サニタリーをキッチンに繋げたプランであれば、食事の支度や片付けをしながら洗濯をしたり、身支度をする子どもをサポートすることも可能。家事動線が短くなるので、忙しい朝などにも使い勝手がいいでしょう。

トイレはふたつに。セカンド洗面などを検討しても

手洗いや歯磨きなどが可能なセカンド洗面。プライベート用だけでなく、来客用にプランニングしても。[アクアファニチャー]undefined パナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

手洗いや歯磨きなどが可能なセカンド洗面。プライベート用だけでなく、来客用にプランニングしても。[アクアファニチャー]  パナソニック エコソリューションズ

一般的な2階建て住宅でも、各階にトイレが設けられているケースが多くみられます。それぞれ独立したトイレとなるケースもありますが、どちらかを洗面室と一体化させたり、スリーインワンとするプランとすることでスペースを有効活用できる場合も。プライベート専用なのか、お客様も利用するのかで、空間のつくりも変わってくるでしょう。

また、最近では、本来の洗面室とは別に、簡単な手洗いができるセカンド洗面を取り入れるプランも増えてきているようです。子供室や寝室の近く、2階の廊下や玄関などに設けるもので、メーカーからもコンパクトなタイプの洗面器が提案されています。セカンド洗面があることで、大家族でも、洗面室での朝の混雑を避けることができ、プランニングによっては、収納スペースを分散させることもできるかもしれません。

洗濯室ともなる洗面室は、洗濯動線を考慮して配置を

洗面室は、脱衣室としてだけでなく、洗濯機を置きユーティリティ(洗濯などの家事作業を行なう空間)とするケースも多くみられます。そのため、住まいの中での配置を考える際、洗濯機のある洗面室から洗濯物干し場への動線に配慮することも大切でしょう。出来る限り、短い動線で、階段の上り下りなどがないような配置を考えたいものです。

たとえば、庭やテラスに洗濯物干し場があるのならば、洗面室は1階に配置し、行き来しやすい出入り口を確保して。洗面室を2階に設けるのであれば、ベランダや屋上に干すスペースをプランニングすることで、動線を短くすることが可能でしょう。

ゆとりのあるスペース、収納をたっぷりと確保した洗面化粧台をプランニングして、洗濯もしやすい空間に。undefined[アライズ]undefined LIXIL undefinedhttp://www.lixil.co.jp/

ゆとりのあるスペース、収納をたっぷりと確保した洗面化粧台をプランニングして、洗濯もしやすい空間に。 [アライズ]  LIXIL  

安全性に配慮した空間づくりが基本

サニタリーは、使い勝手や快適さと同時に、安全性やユニバーサルデザインも重視したい空間です。幼いお子さんでも高齢者の方でも、安心して使用することができるような配慮をしておくことも大切でしょう。

たとえば、洗面室と浴室、廊下とトイレなどが行き来しやすいように配置することだけでなく、床の段差を無くしたり、手すりを設けたり、開閉しやすい扉を用いるなどが考えられるでしょう。すべりにくい床材、使い勝手がよく安全性の高い水栓金具なども取り入れたいアイテム。また、家庭内事故を防ぐため、扉にチャイルドロックを設けたり、それぞれの空間の温度差を少なくしヒートショックを防ぐ工夫も検討しておきたいポイントです。

トータルコーディネート可能な機器も増えてきた

キッチンの近くに洗面と洗濯機を設ければ家事も楽に。扉材などのデザインを統一させても。[エスクアLS] TOTOundefined https://jp.toto.com/

キッチンの近くに洗面と洗濯機を設ければ家事も楽に。扉材などのデザインを統一させても。[エスクアLS]  TOTO 

サニタリーの設備機器は、各メーカーから豊富な商品が提案され、機能性やデザイン性は高まってきています。

デザインは、比較的シンプルで、すっきりとしたタイプが主流。最近の傾向としては、浴室や洗面、トイレ機器のトータルコーディネートの提案が揃っていることでしょう。サニタリー全体のデザイントーン、カラーイメージを揃えることが可能なので、まとまりのある空間が実現します。メーカーによっては、システムキッチンや内装建材などともコーディネートできるタイプもみられるようになりました。

水まわりとして大きくとらえ検討を

サニタリーは、浴室、洗面、トイレと個々の空間づくりや設備選びも重要ですが、住まいの間取りを検討する際には、水まわりとして大きくとらえ、検討することがポイントです。新築であれば、水まわりをまとめることで無駄なコストを抑えることが可能な場合も。モデルハウスやショールームの空間展示なども参考に、どんな暮らしをしたいのかをイメージしながら、ゾーニングや動線に配慮し、プランニングを進めることが大切でしょう。


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