洗面/洗面台・サニタリーの基礎知識と選び方

洗濯ストレスを解消する洗濯空間のプランと設備選び

天候や季節に左右される洗濯は、面倒に感じる家事のひとつ。洗濯作業をスムーズに行うためには、洗濯機を置くスペースのプランニングや設備選びも重要です。ここでは、新築やリフォームの際に知っておきたいポイントをまとめました。

岩間 光佐子

執筆者:岩間 光佐子

住まいの設備ガイド

洗濯のしやすさは、間取りプランと設備や建材選びで決まる

洗濯は、日々繰り返し行わなければならないだけでなく、天候や季節に左右されることもあり、面倒に感じる家事のひとつなのではないでしょうか。ストレスなくスムーズに洗濯作業を行うためには、洗濯のスタイルに合わせた空間づくり、適した設備や建材を取り入れることが大切です。

新築やリフォームを検討しているのであれば、間取りを考える際、家事動線に配慮しておくことは重要なポイント。特に洗濯動線は、洗う場所(洗濯機を置く場所)→干す場所→畳む場所と、住まい全体の間取り関わるので充分に検討を。それぞれの空間づくりや必要な設備、建材にも配慮することで、洗濯作業のしやすさは大きく変わってくるでしょう。

暮らし方に合わせた洗濯機置き場を検討する

キッチンと洗面室の間に洗濯機を設置した、家事効率の高いプラン。[ESCUA(エスクア)LS]undefinedTOTOundefinedhttp://www.toto.co.jp/

キッチンと洗面室の間に洗濯機を設置したプラン。洗面空間がすっきりすると同時に、家事効率も高まる。[ESCUA(エスクア)LS] TOTO

洗濯作業をストレス無く、スムーズに行うためには、まず、使いやすい場所に使い勝手のいい洗濯スペースを確保することが重要です。一般的には、洗面脱衣室に設置するケースが多くみられますが、間取りやお家の洗濯スタイルに合わせて検討することが大切でしょう。

■洗面脱衣室に設置する
浴室に隣接させた洗面脱衣室に洗濯機を置き、洗濯スペースを兼ねるプランは多くみられます。入浴の際などに、洗濯する衣類をまとめておきやすく、洗面台で下洗いなども可能なので、使い勝手もいいでしょう。

■独立したユーティリティをプランニングする
空間的に余裕があるのであれば、独立したユーティリティ(家事室)を設けるプランを検討してもいいでしょう。ユーティリティとは、洗濯やアイロンがけだけでなく、住まいの補修や日々の事務的な作業など、家事作業を効率的に行うための部屋のこと。洗濯をしながらも、他の家事を同時に行えるのもメリットです。

■キッチン近くのスペースに配置する
キッチンでの作業と洗濯を同時に行いたい場合など、キッチンスペースの近くに設置する方法もあります。パントリーと兼ねるようなプランも考えられますが、汚れた衣類などの収納スペースを確保しておくことが必要でしょう。

■勝手口近くにスペースを設ける
洗濯物干し場に行き来しやすい勝手口やサービスヤードなど近くに設けるプランもみられます。洗剤や洗濯用品、汚れた衣類の収納スペースなど、使い方に合わせてプランニングしておくことが大切です。

洗濯物干し場への動線を考慮する

洗面化粧台と洗濯機を並べ、背後に収納を設け、使い勝手を高めたプラン。[エスタ]undefinedLIXILundefined http://www.lixil.co.jp/

洗面化粧台と洗濯機を並べ、背後に収納を設け、使い勝手を高めたプラン。[エスタ] LIXIL

洗濯機を置く場所を検討する際には、洗濯物干し場への動線を考慮することが重要でしょう。移動距離が短いこと、行き来がしやすいことが作業を楽にするポイントです。

庭やデッキに干すのか、2階のベランダに干すのか、浴室乾燥機を利用したり、室内干しとするのかなどによって、住まい全体の間取りにも影響するため、どのような干し方をしたいのか、希望は早めにまとめておくようにしましょう。洗濯をする時間や回数、浴槽の残り湯を使用するかなども含め、洗濯のスタイルに合わせて、トータルに検討することが大切です。

洗濯機を置く空間のレイアウトも重要

住まいのどこに洗濯スペースを確保するにしても、洗濯作業が無理なく行えるような空間づくりをすることは基本でしょう。

ユーティリティなどの専用空間であれば、それなりの広さのスペースを確保することができますが、洗面脱衣室に洗濯機を置く場合は、設置スペースはもちろん、並べる洗面化粧台の大きさやレイアウト、隣接する浴室や出入口の配置、扉の開閉方法などを考慮すること。洗濯物を持っていても動きやすいか、などもチェックしておきたいポイントです。

また、洗濯機の種類や大きさによっても空間づくりやレイアウトに影響が出るものです。設計担当者には、使用予定の洗濯機(乾燥機など)を早めに伝えておくこと。将来的な買い替えなども考慮しておきたいものです。

換気や通風に配慮する

洗濯機を使用する空間は、湿気がこもりやすいので、換気や通風に配慮することも重要です。室内物干し場を兼ねるような場合であれば、特に配慮が必要でしょう。

空間に適した効果的な換気扇、風が通りやすい場所に換気効率の高い窓を配置すること。出入口扉には通風可能なタイプを取り入れてもいいでしょう。また、壁材には、調湿効果のある建材などを用いても。その他、水に強い床材や壁材を選んでおけば、掃除の手間も軽減できるでしょう。

洗濯用品の収納スペースを確保する

洗濯作業には、洗剤や洗濯ネット、ハンガーなど、さまざまなモノが必要です。効率よく洗濯を行うには、それらが使いやすくしまいやすい収納スペースを確保しておくことも大切です。

空間そのものに棚を設けたり、床下などの収納スペースを確保してもいいですし、洗面脱衣室にプランニングするのであれば、収納が充実した洗面化粧台を選んでもいいでしょう。最近のメーカー商品では、洗剤や洗濯用品も豊富に収納できるユニット、洗濯機の上部スペースを有効利用したラックなど、使い勝手を高めたものも増えてきています。

空間を有効利用することができる洗面化粧台。梁のあるマンションリフォームにも適する。 [ウツクシーズ]undefinedパナソニック エコソリューションズundefinedhttp://sumai.panasonic.jp/

空間を有効利用することができる洗面化粧台。梁のあるマンションリフォームにも適する。 [ウツクシーズ] パナソニック エコソリューションズ

洗濯作業を助ける洗面化粧台やアイテムも

洗面脱衣室で洗濯機を並べ設置するケースも多い洗面化粧台は、収納だけでなく、洗濯作業を助ける工夫が施された商品が各メーカーから多く出ています。

たとえば、洗濯物の下洗いや手洗い作業に使いやすい大きめのボウル、底面が平らなタイプもみられます。広くフラットなボウル形状であれば、洗濯物が中央に寄らず、つけ置き洗いなどにも便利でしょう。ボウルとカウンターが一体成型で水じまいのいい形状のもの、水が外にこぼれにくいデザインなどのタイプもみられます。

また、ハンガーを掛けることができるバーやラックなどを組み込むことができるものであれば、部屋干しや陰干しにも利用可能。取り込んだ洗濯物の一時置きができるカウンターなど作業性を高めたものも提案されています。

独立したユーティリティ(家事室)などで、スペースに余裕があるのであれば、洗濯物の下洗いができる洗濯槽(スロップシンク)を設けても。運動靴や汚れ物なども洗うこともできるので、子育て中や大家族などで、洗濯物が多い場合などには便利です。お湯も出るような給湯設備プランにしておくと使い勝手も高まるでしょう。

ショールームやモデルハウスのプランニングを参考に

洗面脱衣室のプランニングや洗面化粧台を検討する際には、他の水まわり商品と同様、ショールームを利用すること。最近のショールームでは、商品単体の展示だけでなく、洗面脱衣室やユーティリティなどの空間の中に商品を設置する空間展示も多くみられるようになりました。また、モデルハウスの空間づくりも、他の部屋とのつながりなど、参考になるでしょう。

いずれも、実際に洗濯の動作をイメージしながら動いてみることで、空間づくりやレイアウトの使い勝手の良し悪しを体感することができるでしょう。もちろん、洗面化粧台の細かな工夫や性能も、操作し確認することも大切なポイントです。


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