第1位「建物の火災保険金額は、生命保険同様、自分の好きな金額に設定できる?」
火災保険を契約するときには、まず契約する建物が現時点でいくらの価値があるか、同等のものを新たに建築するのにいくらかかるか、保険会社や代理店に測ってもらいます(=「評価」といいます)。そしてその金額が最大支払額となるよう、保険金額を設定するのが基本。火災保険の目的はそもそも、建物の価値を上限として、損害を受けた分の「穴埋め」をすることですから、生命保険のように、自分が必要と考える金額を自由に設定できる仕組みの保険では原則ないのです。たとえばの話ですが、評価額が2000万円の建物に、4000万円の火災保険金額を設定していたとしましょう。ところが、この契約から受け取れる保険金は、4000万円ではなく、最大でも再建に必要な2000万円が原則です。これは複数の保険会社や共済団体の契約がある場合も同じ。それぞれの契約が2000万円までで、合計すると4000万円あるといったケースでも、受け取れるのは原則として総額2000万円までです。
一方で、2000万円の建物に1000万円の保険金額しか掛けていない場合、建物の価値の一部に対してしか契約していないとみなされ、半焼で1000万円の損害があっても、保険金は1000万円より削減されてしまいます。
損害のカバーをしっかりできる火災保険金を受け取るためには、保険金額を正しく設定することが何より大事ということですね。契約時は正しい保険金額であっても、時間の流れとともに建物の価値は変わるので、5年ごとぐらいに評価をし直して、保険金額を修正しておきましょう。
【お役立ちコンテンツ】
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第2位「地震保険金額は、火災保険と同額まで設定できる?」
地震保険金額は最大でも火災保険金額の半分まで
地震はいまだ、予知不能の巨大リスク。そのため個々に結ぶ地震保険契約には、「火災保険とセットで契約」「保険金額は火災保険金額の30%~50%かつ建物5000万円以下、家財1000万円以下」といった独自のルールが設けられています。たとえば、火災保険金額が2000万円の建物であっても、地震保険金額の上限は1000万円まで。つまり、建物が地震で全壊しても、地震保険だけで建物を元通りに再建することはできないー。この点はよく認識しておく必要があります。
そうはいっても、災害によりマイホームが失われてしまったとき、国や自治体による補償はほぼないのも事実。住宅ローン返済が始まり、間もなく被災して家屋を失うような事態に陥っても、自力で生活再建をすることが求められるという厳しい現実があります。こうした場合、たとえ建物の再建費用が全額もらえないとしても、一定の被災時にある程度まとまった資金が得られれば、その後の生活再建は大いに違ってくるはずです。
「建物再建のため」ではなく、「甚大な被害を被った時、一定の生活再建資金を確保する」目的で利用するなら、なかなか頼りになる保険、といえるでしょう。【お役立ちコンテンツ】
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第3位「マンションの火災保険金額は、新たなマンションを買い直せる金額が設定できる?」
結論から言うと、分譲マンションの専有部分の火災保険金額は、分譲価格よりも低くなります。たとえば、6700万円で購入した約76平米のマンションであっても、火災保険金額は840万円程度。なぜでしょう?
そもそも、マンションの分譲価格には土地価格が含まれ、住宅業者の利益も乗せられています。さらに躯体部分は通常は共用部分。ですから、この3点分は専有部分の火災保険には反映されず、マンションの火災保険金額は分譲価格よりも低くなる。つまり、火災保険金で他のマンションを買い直せる金額を設定するようなものではないわけです。
さらに、この専有部分が、界壁から内側とする「内法基準」によるもの、と管理規約に記載があれば、内法基準の面積をもとに火災保険金額を設定するわけですが、ここでよくある勘違いが! マンションの募集チラシでは、内法基準ではなく、専有面積を界壁の中心から内側とする「壁芯基準」が記載されているのです。そのため、これをもとに火災保険金額を設定してしまうと、実態よりも高い保険金額となり、保険料も大幅アップになってしまうのです。保険を掛け過ぎても、災害時に多くはもらえません。ご注意を!【お役立ちコンテンツ】
■ マンション専有部分の火災保険金額はいくら?
■ 6700万円のマンション、火災保険金額はいくら?
■火災保険証券、拝見します!(1)分譲マンション
第4位「どの保険会社で入っても、火災保険金額は同じ金額になる?」
見積もりを複数取るとわかるのですが、保険や共済契約の引き受け手によって、設定する火災保険金額には差が生じます。これは、火災保険金額を決めるための平米当たり単価(あるいは坪単価)が保険会社(共済団体)により異なっているため。平米当たり単価は、建築指標等複数のデータをもとに保険会社等ごとに算出されるのですが、その元となるデータは、すべて同じではないですし、さらに独自のアレンジを加えたりしているので、差が生じてくることもあるようです。
ですから、建物の構造や面積といった条件を、誤ることなく正しく評価している限り、どれもが正しい金額、ということになり、保険金の支払いに問題が起きることはありません。
ただ、どこで契約するかで、イザと言う時の受取額には大きな違いが生じることになりますから、比較検討も大切ですね。
【お役立ちコンテンツ】
■ 保険会社によって火災保険の金額に差があるのはなぜ?
第5位「家財で設定すべき保険金額は家族構成や年齢で決まっている?」
家財は「わが家の場合はどうなのか」考えて
とはいえ、家財は思いのほか多いのも事実。何せ、歯ブラシ一本から家電、家具、衣服や玩具、生活用品などなど、一つ一つ積算するとかなりの金額になります。これを一挙に買いそろえる・・となると、結構大変な金額になるかもしれません。ただ電化製品などは、購入から時間がたつほど型落ちしますから、再調達価額でも購入時よりも低くなるのが常。所詮は「古くなるモノ」と考えれば、ほどほどの金額でもいい、という考え方も成り立ちます。
このように、家財の保険金額については、自分の裁量で決めることができるわけですね。
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■家財の火災保険金額はどう決める?
■賃貸住宅の火災保険、入らないとダメ?
以上みてきたように、火災保険の契約をするとき、保険金額の設定は最も大切なポイントです。建物の場合、保険金額が多すぎても少なすぎてもうまく役立たないですし、私たちが負担する保険料にも大きく影響があります。さらに契約時は正しい保険金額を設定していたとしても、適切な火災保険金額は物価変動や時間の流れとともに変化します。家財は自由な設定が可能ですが、家族の変化とともに、収容する家財の量も変わっていきますよね。30年など長期の火災保険の契約をしているなら、建物・家財ともに5年ごとぐらいに保険金額の見直しをしておくこともお忘れなく。
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