国や火災保険の補償なし「地震被害」

地震被害を受けても、私たちの生活は自力再建が基本
地震被害を受けても、私たちの生活は自力再建が基本
ご存じのように、わが国は世界中の地震の約1割が起こる、有数の地震国です。しかし、地震などの激甚災害によって被害を受けても、私たちの生活は自力再建が基本とされています(記事「火災保険の必要性2 自然災害に国の補償なし」参照)。

さらに、火災保険では落雷・風害・水害・土砂崩れなど種々の自然災害には補償を享受することもできますが、地震・噴火・津波が原因の被害はその対象外。よって地震被害にあっても、火災保険からは保険金の支払いを受けることができません(ただし、「地震火災費用」がセットされている火災保険の場合、一定の見舞金は受け取れます)。

そこで登場するのが「地震保険」。火災保険に地震保険をセットすれば、地震被害に備えることができます。なお、地震被害への補償には一部の共済が扱うものもありますが、今回は民間火災保険にセットする地震保険のみを取り上げます。

 

契約には制限がある

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地震保険だけで建物再建はできないが
地震保険は、1964年の新潟地震を契機に作られた官民一体の保険です。「地震保険に関する法律」に基づき、国も再保険という形で保険金の支払い責任の一部を引き受けています。さらに、たとえ保険会社が破たんした場合でも、支払われる保険金はその影響を受けません。

とはいえ、地震は国にとっても予測不能の巨大リスクです。よって個々に結ぶ契約には、地震保険独自のいくつかの制限が設けられています。
まず、地震保険だけでは契約ができず、火災保険とセットで契約するしくみ。さらに、設定できる保険金額は火災保険金額の30%~50%まで、かつ建物5000万円、家財1000万円までが上限と定められています。

たとえば、火災保険金額が2000万円の建物なら、600万円から最高でも1000万円までの保険金額に抑えられるのです。たとえ建物が地震で全壊しても、地震保険だけで建物を元通りに再建することはできないということ。また、支払われる保険金は損害額に応じた金額ではなく、損害の程度に応じた4段階のざっくりした支払いです。

一方で、保険料については、地域と建物構造により異なるのですが、たとえば東京都の木造家屋の場合、保険金額1000万円当たりの保険料は年間3万6300円(各種割引適用なしの場合。2017年10月現在)。これが火災保険料と別にかかることになります。