マーケティング/マーケティング事例

女性用ふんどし“ななふん”大ブームの兆し

ふんどしと言えば古来より男性が付ける下着と相場が決まっている。ところが今このふんどしが女性に大人気だという。果たして世の中に何が起こっているのか?その背景を追った・・・

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

女性用ふんどし“ななふん”が大ヒットを記録!

女性用ふんどし“ななふん”
女性用のふんどしが大流行って本当?
ふんどしと言えば日本古来の下着で通常は男性が身につけるものというイメージが一般的だ。

ところが最近この男の下着“ふんどし”が女性の間でブームになっている。

下着メーカー大手ワコールのグループ企業であるウンナナクールが2008年12月に女性用ふんどし“ななふん”を発売するや話題となり、問い合わせが殺到。月平均でおよそ1400枚を売り上げるヒット商品となった。

これまで女性用の下着と言えば、体型を美しく見せるために密着度の高いものが主流であったが、ゴムによる締め付けなど決して着心地がいいとは言えるものではなかった。

そこでウンナナクールは従来の女性下着とは対極にある「自由と解放」をコンセプトに掲げて新たな下着を模索。

肌に優しい綿100%の生地を使用して締め付けの少ない究極の下着が出来上がるわけであるが、それが女性用ふんどし“ななふん”だったのだ。

実際に使用している女性からは「ゴムの締め付けがなく体調が良くなった。」や「体のラインがきれいになった。」など健康や美容面で大きなメリットを感じているという多くの声が寄せられている。

この締め付けのない開放感溢れる付け心地が女性の心をくすぐり、1260円という手頃な価格と相まって“ななふん”は大ヒットを記録したというわけだ。

当初はアイボリー地で縁がピンクとネイビーの2種類、そしてカーキ地で縁がイエローとサックスの2種類、合わせて4種類のバリエーションであったが、予想外の大ヒットを受け新たにチェック柄3種を追加。バリエーションを豊富にして更に売上の拡大を図るマーケティング戦略に打って出た。

なぜ、今女性に“ふんどし”なのか?

今回は時代の背景を読み解き、既成概念に捉われずにヒット商品を生み出すマーケティング戦略について考察していこう。
  • 1
  • 2
  • 3
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます