マーケティング/マーケティング事例

コカコーラの“逆バリ”戦略は成功するか?(3ページ目)

コカコーラ社がリアルゴールドを一新し、初めて女性向けの製品を上市した。女性の社会進出が高まる中、果たして女性用栄養ドリンクは市場を拡大することができるのか?コカコーラのマーケティングに迫った!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

ネーミングはヒットを左右する!

アサヒ飲料『ワンダモーニングショット』
アサヒ飲料の「ワンダモーニングショット」はネーミングでヒットした!
商品が爆発的ヒットを記録する一つの要素としてネーミングがある。同じ飲料系でネーミングの妙で大ヒットを記録した製品に「ワンダモーニングショット」がある。

アサヒ飲料はマーケティングリサーチを通して、現代のビジネスマンは8割が朝型生活を希望しており、朝の必需品は「ネット」「メール」「缶コーヒー」という新たな“三種の神器”に気付いた。

一般的に、缶コーヒーと言えば昼食後や夕方から夜にかけて飲まれるものというイメージがあるが、アサヒ飲料は時間軸でセグメンテーションを行って、これも“逆バリ”で朝にターゲットを絞った。ネーミングも朝専用缶コーヒーと認知してもらうために、「モーニングショット」と名付けた。

朝専用缶コーヒーを謳った「ワンダモーニングショット」は、ネーミングを含めたマーケティング戦略が功を奏し、記録的な大ヒットを記録することになる。

一方で日本コカ・コーラの「リアルゴールド カロリー1/3」はどうだろうか?女性がターゲットだということを考えると、「リアルゴールド カロリー1/3」というネーミングは、ターゲットに対して確実にアピールするだろうか?

確かにカロリーを気にする女性にとって“カロリー1/3”というフレーズは気になるところだが、より美容と健康に良さそうなネーミング(たとえばフレーバーからベリーベリー1/3<Very Berry 1/3>など)にした方が、ターゲット顧客の心を捉えることができたのではないだろうか。

「リアルゴールド カロリー1/3」というネーミングだけを見る限りでは、どちらかというとこれまで「リアルゴールド」を愛飲し続けてきたが、そろそろメタボが気になり始めた30代から40代のサラリーマンの心に響くネーミング、という感じが否めない。

それでは、最後のページでは日本コカ・コーラのプロモーション戦略について見ていくことにしよう。
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます