マーケティング/マーケティング事例

ハウス食品が仕掛けた朝カレーブーム

今朝にカレーを食べている人が増えているという。果たしてなぜ朝カレ-なのか?誰が仕掛けたのか?その背景に迫る!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

“朝カレー”ブームの到来!?

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朝カレ?に関する書籍まで出版されるなど、今や朝カレ?はちょっとしたブームになっている。
カレーライスと言えば、日本において非常に人気のある料理で、ランキングを行えば常に上位に位置する定番の料理だ。

そのカレーに今ちょっとした異変が起こっている。

カレーは夕食のおかずとして圧倒的な支持を受ける一方、朝食べるカレーがひそかなブームを迎えているのだ。

そのきっかけとなった商品が江崎グリコのレトルトカレー「ちょい食べ」シリーズ。

2008年2月に首都圏限定で発売された同商品は、従来のレトルトカレーとは違い、温めずにすぐに食べられる機能が受け、爆発的なヒットを記録。2008年8月に全国販売を開始するも、供給が追い付かずに今年の2月まではエリアを縮小して販売せざるを得ない状況となっていた。そして、江崎グリコが今年4月に行った調査によると、実に購入経験者の3割以上が朝に利用していたことが判明。朝の忙しい時間に、温めずにそのまま素早く食べられる機能が支持された格好だ。

カレーを朝食べる習慣が注目を浴びたのはシアトルマリナーズのイチロー選手を特集したテレビ番組。イチロー選手が毎朝カレーを食べている習慣が放送されると、数々のメディアがこぞって“朝カレー”を紹介。その中で専門家は、朝食べるカレーは脳の血流を改善し、集中力を高めると解説し、朝カレーの習慣に拍車をかけた。そして、瞬く間にイチロー選手にあやかって集中力を高めて成果に結び付けたいビジネスマンや受験生の間で朝カレーのブームが広がりを見せることになる。

次ページでは時間軸によるセグメンテーションで成功を収めた朝カレーに迫る!
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