裏切りの誘惑に心揺れ動く『囚人のジレンマ』
さて、2人の容疑者の行動とその結果は以下のような表に表わされます。囚人の行動とそれに伴う結果。 |
ここで、容疑者Aにとって黙秘と自白のどちらの行動が自分にとって有利になるでしょうか? 容疑者Aが仮に黙秘した場合、容疑者Bも黙秘してくれれば懲役3年となります。ところが容疑者Bが自白した場合は最悪の懲役10年の刑が確定してしまいます。
一方で容疑者Aが自白した場合はどうでしょう? 容疑者Bが黙秘すれば無罪となり、仮に自白したとしても5年の懲役となります。このように容疑者Aにとって黙秘と自白を比べれば自白の方が有利だという結論に至ります。
同じように容疑者Bも黙秘と自白の狭間で悩みます。そして、容疑者Aが自白することを決めたのと同じ考え方で、自白を選択することになります。
2人にとっては、協調して黙秘を貫くことが最高の結果となるはずですが、共に疑心暗鬼になって、結局相手を裏切って最高の結果が得られないという結末を迎えてしまうのです。
このように「お互いにとって協調して最高の結果を得たいけれども、相手が裏切ったら最悪の結果が待っているために、決断することに心が揺れ動く」ということでこのゲーム理論のモデルは「囚人のジレンマ」と呼ばれているのです。
それでは「囚人のジレンマ」と今回のサントリー3位躍進はどのように関係しているのか?次ページで詳しくお伝えします!