マーケティング/マーケティング事例

ほぼ日手帳大ヒットの秘密とは?(2ページ目)

毎年およそ9000万冊が発行される成熟した手帳市場でここ数年急成長を遂げた手帳がある。それが糸井重里氏が主宰するサイトから生まれた『ほぼ日手帳』。今回は糸井氏に直接取材を試みてヒットの裏側に迫る!

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

糸井氏の口から明らかにされたほぼ日手帳のヒットの秘密とは?

ほぼ日手帳
ほぼ日手帳の大ヒットについて語る生みの親の糸井重里氏。
小雨の降りしきる中、私は他のメンバーと共に南青山の糸井氏のオフィスを訪れた。2008年版は25万部という驚異的な販売部数を記録したほぼ日手帳だけに卒の無いマーケティング戦略の全貌を明らかにできると期待して糸井氏を待った。

ところが、その期待はいい意味で裏切られることになる。現れた糸井氏の口から出てくる言葉は衝撃的なものだった。

まずは、ほぼ日手帳製作のアイデアはプロフェッショナルに任せるのではなく、文房具の素人が自分たちの欲しい製品を作るという当初のスタンスを25万部という驚異的な販売部数にまで成長した現在でも踏襲していること。

ある程度の規模まで成長すれば、プロフェッショナルの手を借りてプロダクトを洗練させようと考えたくなるものであるが、ほぼ日手帳はあくまでも“自分が使いたい手帳を作る”ことを考えて作り続けていると言う。

また、年々急成長を続ける背景には大々的なプロモーションがあるのかと思いきや、プロモーションはほとんど行わず、大半が口コミ。しかも、通常の手帳がデパートや本屋など至る所に流通網を確保しているのに対して、ほぼ日手帳はインターネットの直販とLOFTのみ。

通常の製品を大ヒットに導くマーケティング戦略のセオリーとはかけ離れた独自のマーケティング戦略がそこにあったのだ。

ただ、糸井氏の話を伺うにつけ、自然に製品を大ヒットに導く要因が垣間見えた。

次のページでは糸井氏への取材を通して浮き彫りにされたほぼ日手帳を成功に導いたマーケティング戦略を解説。次ページへどうぞ!
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