仕事に慣れてくると、穏やかで面倒見のよい女性には相談が舞い込んでくる事も少なくありません。仲の良い人からの相談なら乗りやすいけど、職場だけの仲でそつなく付き合っている人からの相談だったりすると、どう接したらいいのか悩んでしまうことも。

自分の返事次第で社内の人間関係が悪くなってしまったらどうしよう…などと大袈裟に構えて、面倒に感じたり、戸惑ったりするのではないでしょうか。でも、そんなに堅く考えず、もっと気持ちを楽に、人の喜ぶことをすると思って対応してみましょう。「あなたに相談してよかった」と言われるような相談の受け方を、これからお話しします。
 
   

社内の人間関係を相談されやすいのは、どういう人?

社内の人間関係を相談されたときの適切な対応

相談された=選ばれた、と前向きに

相談する人は「この人なら私の話を聞いてくれそう…」と、思った人に話をします。それは「私の気持ちをわかってもらえそう」「一生懸命考えてくれそう」と思われているから、相談するのです。

それは、人として目に見えない財産を持っているということです。だから「困っちゃった…」「面倒だ…」などと思わずに、しっかりと一生懸命話を聴いてあげましょう。そして、相談をされるだけの人格になっていることに誇りと自信を持ちましょう。
 

相談したい人の気持ち

深刻な相談を持ちかけられた時ほど「どうしよう」と思い、相手から逃げたい気持ちと、答えてあげなきゃと思う気持ちの両方が心の中に存在します。こういう時は、もし自分が相談する立場だったらどうだろう? と考えてみましょう。

軽い返事をしてしまったら、その人はがっかりするだけでなく、あなたに不信感を抱く可能性もあります。相談されて困って悩んだ挙句に恨まれたら大損です。まずは、「お互い様」という気持ちで相談にのってあげましょう。
 

相談をしたい人の気持ち

相談をした人は、自分一人で考えていて煮詰まってしまって、助けを求めています。ふと、我に返り
  • 自分って傍からどう思われているのだろう
  • こんな状態で大丈夫なのかしら
  • などとモヤモヤとした状態です。自分は正しいと思ってしていたけれど、どうも周囲の反応が芳しくない。
  • 何が悪いのか分からない
  • 考え過ぎなのだろうか
など、何ともすっきりしない気分が続いていたはずです。相談する人も、それまでに色々と考えてから打ち明けてきています。だから、相談相手の反応に敏感になります。
 

相手を安心させる聞く側の態度

相談する人は、それなりの返事を期待している事は間違いありません。誰だって「それは、あなたが悪いわね」とか「う~ん、分からない」などという返事をされると思って相談する人などいるわけがありません。そういう返事が返ってくると思っていたら、最初から相談を持ちかけないからです。

相談する人は、ある程度返して欲しい返事を心の中に持っていて、その通りの返事が返ってくることを期待しています。でも、それは答えではないのです。自分の気持ちを理解してくれて、自分の背中を押してくれるような返事が欲しいのです。そして、ただ、自分という存在を認めて、真剣に話を聴いて欲しいのです。だから、相談をされている人は、何か答えを出してあげなければ…と苦心する必要はないのです。
 

自分で気づくオートクライン現象

コーチングやカウンセリングもオートクライン現象が使われてます

コーチングやカウンセリングもオートクライン現象が使われてます

あなたが相手の話を一生懸命聴いていれば、話し手にオートクラインという現象がおきます。それは、話している内に自分自身で解決策がふと頭に思い浮かぶ現象です。「あっ!!そう言えば…」と思いつくことがあるでしょう。それをオートクラインといいます。それを起こすには、聴き手が真剣に話し手の気持ちを理解しながら聴くことが必要です。
 

同調と共感の違い

相手に同調しないで、共感するように聞くことです。同調と共感は似て非なるものです。共感とは、惻隠の情ともいいます。人の悲しみや苦しみを、経験していなくても分かってあげる優しさです。相談者と調和をはかり、正しい距離をもって話を聴きます。同調は、相手に調子を合わせて自分の冷静さを欠いてしまい、感情的になり冷静な判断ができなくなってしまう状態です。

共感できるようになるには、自分の考えを持ち、筋を通した生き方をすることです。きっと、相談した人は、頼りになる素敵な人だと思うことでしょう。
 

聞き手は説教しない

返事は「それで?」「なるほどね」「それからどうしたの?」「そうか、それは大変よね」「それは、辛いわね」という程度でいいのです。聴き手がペラペラ説教を始めては、話し手は話し終わってもストレスが解消されず、かえって落ち込んでしまう事にもなり兼ねません。話し手のストレスが解消されれば、自発的に対策を見つけられるものです。人間は納得した事しか実行に移せません。だから、自発的であることが大切なのです。
  

社内の人間関係の相談だったら…

安易に社内の人間関係の相談を受けて、とばっちりが来たら困る…これは誰もが思うことです。相談者が「○○さんもこう言ってたわ」と、あなたを味方にしたつもりで言うとも限りません。「『そうね』と相槌を打っただけなのに…」と、腹立たしく思う結末にだけはしたくありませんからね。
社内の人間関係の相談の場合「私は、その方とも親しくしているのよ」と一言添えてから話を聴くと良いでしょう。あまりにも悪口になっていったら、「私に相談してくれているのは、その方に誤解を解いて仲を取り持って欲しいから?」と確認を取りましょう。会社なのですから建設的で進歩的に物事を捉えなければなりません。この一言で、相談者は自問自答するでしょう。それから、初めて相談になるのです。
 

相談時の思わぬ注意点

時計をチラリと見る仕草は相手にとってはストレスです

時計をチラリと見る仕草は相手にとってはストレスです

相談を受ける時は、返事だけでなく表情も大切です。嬉しい話の時は嬉しそうな顔をし、辛い話の時は辛そうな顔をして聴いてあげないと、話し手は満足しないのです。つまり、言葉と表情は一致させて聴く必要があります。

特に気をつけたいのが、途中で時計を見る仕草。これは、「早く終わって欲しい」「もう時間がない」と伝えているようなもの。話し手は思う存分話せたという実感が湧きません。時間の制限がある場合は、事前に携帯のタイマーでもセットしておき、鳴るようにしておくと良いでしょう。
 

守秘義務は自分のため

誰でも相談ごとは秘密にして欲しいものです。自分の信用のためにも、相談された事はすぐに忘れるくらいの気持ちで、絶対に他の人には話さないことです。どんなに仲の良い友達、配偶者、親に対しても「内緒ね」などと言いながらペラペラと話してはなりません。守秘義務だと思うくらい口は堅いに越した事はありません。
 

相談されてから結果報告がない…

「あの件はどうなったのかしら? 心配しているのに」と思うこともあるでしょう。相談されっ放しでその後何も報告がない。そこで、しばらくしてから「あの件、どうなった?」などと聞くのは野暮なことです。人は相談して解決してしまうと、意外と忘れているものです。それを覚えている人がいると思うと、勝手なもので何となく怖くなってしまうものです。その恐怖心は不信感へと移っていきます。何も言って来ないということは、良くなったに違いないと思って、相談者が言い出すまで知らぬ振りをしていることも、美しく働く女性の粋な心配りでしょう。


どんな内容でも、相談を受けると身構えてしまいます。さらに、込み入っていたり自分に関係ありそうな話だと、気が重くなってしまうという方もいらっしゃるでしょう。

悩みは発散すれば、解消されます。話すということは、中に溜めず発散させる最も有効な手段なのです。あまり重く捉えずに人助けと思って、聴き上手になる努力をしましょう。聴き上手な人ほど、言葉は少なく表情が優しく心が豊かなものです。美しく爽やかに話を聴ける女性を目指して、明るく楽しく過ごしましょう。

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