コーチング/コーチング基本知識

理想の姿に近づく方法

ビジョンを描くのが苦手な人でも、現在と近い未来に目を向けさせるだけで十分。5分後の未来でも、ぼんやりしている輪郭が次第にくっきりとしてきます。今回は、苦手な人でも取り組めるコツを紹介します。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド

今から少し未来をイメージするのがコツ

ビジョンをつくる
ビジョンは壮大な夢を語ることとは限らない
コーチングは人材開発、人材育成の領域で現状ほとんど知られています。しかし、どのような形でコーチングが導入されるようになったかについては、ご存知ない方が多いと思いますので、ガイドの体験から少しご紹介します。

今から11年前の1998年、ガイドはアメリカから来たプロのコーチが開催したセミナーでコーチングを知ることになります。初めて体験するコーチングは、聞く、質問する、承認する、要望する、などのスキルを使って2人組になって話すことから始まりました。スキルには100もあるということを聞き、まずは基本となるスキルを使いながら会話の練習。そのとき、行き先を具体的にし方向性を持って話をすると、考えていることが整理され未来に向かって進んでいる実感を体験しました。

1回のセミナーで方法を理解しても続けないとスキルは身につかないため、パートナーを見つけて練習するよう提案を受けました。そこで、ガイドは会社の同僚とペアになり、3ヶ月の間毎週30分コーチングの時間をとることに。最初のセミナーでアメリカのコーチが強調していたのは、「コーチは過去を分析しない。未来を扱う」でした。毎週の同僚とのコーチングでは、未来とか将来とか今後の行き先のことばかり話していました。

最初は、2人とも夢物語のようなことばかり話していました。しかし、そんなことを続けていても現実味が薄くなってきます。次第に今から少し先の未来について話すようになりました。それと同時に、現在のことも取り上げ、未来と関係させながら話すようになりました。今後どういうスキルアップをはかりたいのか、今の仕事を今後どう発展できるのか、収入はどれくらいにしたいのか、どんな家に住みたいか、などと変わっていきました。

実はこの時に話した内容のほとんどが、3年以内に実現したのです。「今から少し先の未来」がビジョンを描くときのコツだと実感しました。アメリカから来たコーチが言っていたのは、こういうことだったのかと腑に落ちました。

部下にビジョンを描かせる

部下が行動を起こしやすくするために、ビジョンを描くことの大切さは「ビジョンは部下のリーダーシップを育てる」でご紹介しました。

行動を早く起こすには、目指す先の具体的なビジョンが牽引役となります。時間が無限にあるならゆっくりと進みながら到達点を目指せばいいのですが、スピードが求められている今の時代ではそんなことも言っていられません。しかし、どんなに聞いてもビジョンがはっきりしなかったり、現実感を持てない人がいます。
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