コーチング/人材育成・組織作り

ビジョンは部下のリーダーシップを育てる

目標について語られることはあってもビジョンについてマネジャーが扱うことはほとんどありません。しかし、具体的なビジョンこそ、相手を前進させる牽引力となるのです。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド

ビジョンをつくる
ビジョンによって行動がより具体化する
4月に入り、新入社員を迎えたり、新しい役職や職場についた方も大勢いらっしゃることでしょう。新しい人間関係が始まる今、コーチ型マネジャーには、メンバーがなるべく早く新しい職場でリーダーシップを発揮する環境や機会を整える大切な役割があります。

リーダーシップには、自発性、自律性、創意工夫力、関係構築能力、影響力があります。コーチ型マネジャーとしては、部下を育て、いち早く中核を担うメンバーになってもらいたいことでしょう。

ビジョンがリーダーシップを発揮させる

どうしたら、人はリーダーシップを発揮できるのでしょうか? ただ「君にリーダーシップを発揮してほしい」と伝えたとしても、相手がすぐに動くわけではありません。自発性、自律性、創意工夫力、関係構築能力、影響力などを発揮させる起爆剤として、ビジョンを描くというのがあります。

ビジョンを描くというと、5年10年先をイメージするとか夢を語るととらえられがちです。ビジョン・メーキングというと何か壮大な構想を練るイメージがあり、ピンとこない人も多いでしょう。コーチ型マネジャーとして知っておくといいのは、ビジョンとは現在からちょっと先の未来を描くということです。

旅行に行く前にガイドブックで観光スポットやレストランを調べるなど、現地の情報を調べて準備した経験は誰でもあるでしょう。行き先について何も知らないのですから、何を期待すればいいのか見当がつきません。準備もなくその場に行ったら、状況対応することに精一杯になってしまい、楽しむ余裕もなくなるでしょう。しかし、事前にガイドブックで写真を見たり、説明を読むなどすれば安心して楽しむことができます。

ビジョンを描くことはこの状況に似ています。コーチ型マネジャーは、特に相手が新しいポジションや任務に就いた時には、出きるだけ早く行き先を見せることです。ゴールはどのように設定されるのか。必要となる知識はどんなものか。一緒に働く人は誰か。どんな能力がつくのかなど。大事なのは、これらのことを一方的に伝えるのではなく、本人と一緒に話しながら描くことです。

では、ビジョンを描くには何から取り組んだらいいかについて次のページでご紹介します。
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