あらゆる組織や集団に必要不可欠なリーダーシップ
リードする人とされる人。リーダーシップは人間関係の中で成り立つもの
現在も書店に立ち寄れば、リーダーシップに関する書籍がたくさん並べられており、セミナーなども多数開催されていることはいうまでもありません。
この要因として、人は一人では生きられず、コミュニケーションを通じ、組織や集団の中で共存共栄するからだと考えられます。多くの人々が組織に所属し、組織内には様々な集団が形成されています。自分の勤める会社や所属する部署、プロジェクト・チーム、社内サークル、気の合う飲み友達などその種類は多岐に渡ります。
そして、その中で自分を取り巻く上司・同僚・部下といった人々の間でおりなされる対人関係は合理的なものばかりでなく、「気が合う/合わない」や「好き/嫌い」などの情緒的感情も含み非常に複雑です。
いくらメディアやインターネットが盛んになったとはいえ、対人関係が組織内での重要な役割を果たしていることは確かです。特に会社の中での意思決定者やキーマンは40代以上のアナログ世代が多く、まだまだコミュニケーションが最重要視されています。
どちらにせよ、組織に属し、助け合い支えながらコミュニティを形成する以上、リーダーシップは必要不可欠な概念になります。だからこそ、集団や組織の研究では100年以上も前から数多くの学者たちにより、リーダーシップが日々解明されてきたのです
つまり、リーダーシップを発揮することが個人と他者を繋ぎ、結局は集団までをも繋げることを可能にしてきたのです。今までの歴史や時代のほとんどが数多くのリーダーたちによって創られ、塗り替えられてきたといっても過言ではありません。
いつの時代にもリーダーシップは求められる
日本でいえば、激動の幕末の中で海援隊の前進である亀山社中を創立し、薩長同盟などを結ぶことで江戸から明治への変革の流れを作った坂本龍馬の取り組み。世界では、「I Have a Dream」で知られる有名なスピーチを行い、人種差別撲滅に尽力したマーティン・ルーサー・キングの取り組みなどが挙げられます。
もちろん、このように彼らが活躍できた陰には、目立たないながらも支えていた人々がいたはずです。多くのリーダーがフォロワーに助けられ、導かれたということもできるでしょう。しかし、歴史に大きな変革を起こし、新しい時代の幕開けを担ってきたのは、リーダーが第一歩を踏み出したからです。
このようにリーダーシップは時代を越えて、人々を惹きつけ、必要とされ続けているのです。
いま、リーダーシップが求められる理由
いつの時代もリーダーシップは必要とされていますが、近年はよりその傾向が強くなってきているように感じます。政治や行政、企業など分野を問わず、世界中でリーダーシップが求められ始めました。
最近ではテレビ番組1つをとっても、司馬遼太郎の『坂の上の雲』や坂本竜馬の半生がドラマによって描かれているように、激動の時代を生き抜いた術を学び、現代にも活かそうとしている姿勢が感じられます。
つまり、何らかの組織や集団をまとめる役割を持つ人だけでなく、一人ひとりがリーダーシップを学び実行に移すことが、今こそ必要とされているのです。では、なぜ、今の時代に多くの企業や組織がリーダーを必要としているのでしょうか?
大きな理由として、世界中において時代が大変革期を迎えたからにほかなりません。より一層進む世界のフラット化。その中での変わりゆく日本の立ち位置。金融危機などから始まった社会体制の変化。働くうえでの企業の求める人材の変化、個人と組織との関係性の変化。MBAを代表とするリーダー輩出機関の見直し。このように、あらゆることがパラダイムシフトを起こす予兆を表しているのです。時代の転換期に突入したからこそ、変革を成し遂げることのできるリーダーが求められるのです。
リーダーシップは普遍的な能力
リーダーシップスキルの最大の強みは、「ポータブルスキル」です。ポータブルとは、持ち運び可能であるということです。一度身につけてさえしまえば、どのような場所や時代にも適応できる普遍的な能力なのです。
ただし、リーダーシップを身につけるのは、「一日にしてならず」です。リーダーシップを身につけるには、アスリートの筋力トレーニングと同じように日々の積み重ねが大切です。意識的な訓練を日々続けることによって身につけていくものです。急がば回れで、時間をかけて徐々に習得を目指していきましょう。