教育については「注文しないけど相談もしない」のが今流
次は、孫の育児や教育について「子世帯から相談を受けているか?」を尋ねた結果です。孫の育児・教育についての相談の有無 |
資料提供:二世帯住宅研究所 ※グラフをクリックすると大きくなります |
「よく・少しは」を合わせて「相談を受けている」と答えた祖父母は、べったり同居や別居に比べて、二世帯同居ではやや少ないという結果となりました。一方「まったく相談を受けていない」と答えた祖父母は、二世帯同居がやや多くなります。この数値から、二世帯同居の場合は、同じ屋根の下に住んでいても親世帯・子世帯の生活分離意識が強い家庭が多いことがうかがえました。
また、全体的にも半数が「あまり・まったく相談を受けていない」となり、先の「注文」の結果とあわせると、「注文しないけど相談もしない」といった、現代人らしい関係が多いようです。
子世帯との意見の対立は「あまりない」
それでは、実際に「孫のことで子世帯と対立したことがあるかどうか?」を尋ねた結果をご紹介します。孫の育児・教育について子世帯との対立経験の有無 |
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「たまにある」の回答では、べったり同居は二世帯同居や別居の約2倍。交流頻度が高いだけに、しつけや教育観の違いから子世帯夫婦と対立するケースも少なくないようです。しかし「よくある」の回答はどの居住形態でもほとんどありませんでした。あまり心配しなくても、大丈夫の様ですね。
交流のルールは「若夫婦を立てる」
最後に「孫とのつきあいにおいて大切なルールは何か?」を挙げてもらいました。孫との交流で気にしていること |
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全体で上位に挙げられたのは「孫のしつけは若夫婦が主役と心得る」と「叱るより、ほめて元気づける」の2点。まず若夫婦を立て、孫を元気づけることが、交流の基本として重視されています。
次いで「約束したことは必ず守る」「孫であってもプライバシーや個人を尊重する」「特定の孫を偏愛しない」「子世帯、特にお嫁さんの悪口を言わない」の順。約束遵守、プライバシーや人権の尊重、公平や平等など、人間のつきあいにおける基本的な論理は、孫との交流でも大切と考える祖父母が多いようです。
以上の結果から、親世帯としては、子世帯の教育に干渉しようという気持ちは少なく「子世帯の意見を尊重しつつ、祖父母としてできることを伝えよう」というスタンスをとっていることがうかがわれます。これで少しは心配も減ったのではないでしょうか?
祖父母であれ、親であれ、孫や子に良かれと思うことをしているのは事実です。お互いの立場を尊重してさえいれば、意見の対立はあまり無いと言えるようですね。
そろそろ夏休み。子供が長期間、祖父母と触れ合える時期です。祖父母との交流は、子供にとってもいろいろと良い影響があるはずです。いつもとは違う三世代交流で、楽しいひと時を過してみてはいかがでしょうか?
【本調査】
「祖父母と孫の関係―居住形態による比較調査」