栄養管理/妊娠中・授乳中の栄養管理

母乳育児を目指すママへ!母乳の基礎知識

母乳に関するトラブルは多いものです。ママも色々な情報に動揺されやすい時期です。しっかりした知識を持って余計なストレスを溜め込まないようにしましょう!

一政 晶子

執筆者:一政 晶子

管理栄養士・米国登録栄養士(RD) / 栄養管理・療養食ガイド

ミルクは赤ちゃんにとってはじめての食事。健康でいるための予防食のはじめの一歩ですね。

母乳の持つ健康パワー

母乳は赤ちゃんにとって良いということは広く知られています。栄養的なニーズだけでなく、免疫システムの発達にも役立つことが分かっています。母乳によって、呼吸器系の炎症、耳の感染症、感染による嘔吐・下痢(胃腸の機能強化)、喘息、将来の肥満リスク、循環器系の疾患(心臓病等)、自己免疫疾患(1型糖尿病等)などを減らすともいわれています。


6ヶ月までは母乳のみでOK

世界中の多くの団体・機関は生後6ヶ月までは母乳のみ、少なくても12ヶ月までは母乳を続けることを勧めています。日本でも、2007年に厚生労働省より発表されたガイドラインでは、生後5・6ヶ月以前の離乳準備期(果汁など)は必要はないとしています。逆に果汁を与えることによって、母乳や育児用ミルクの摂取低下、乳児期以降の果汁の過剰摂取、発育障害などが報告されています。生後6ヶ月くらいまでは、暑い季節でも母乳を飲んでいる赤ちゃんには水やジュースを与えなくてもよいと言われています。


ベビー誕生直後に必要な母乳の知識

出産後、初乳という栄養を豊富に含む黄色っぽい乳汁が分泌されます。この初乳は少量ですが、赤ちゃんに必要な栄養素がぎっしり詰まっています。出産後、多くのママは「ミルクが足りていないのでは…」と心配すると思いますが、新生児は誕生時に体内に水分や糖を蓄えているので、ママのミルクが十分な量に達するまで、その蓄えられた栄養を使うことができます。

ガイドも生まれて1~2日のベビーが飲んでいるミルクの量が少ないのを理由に「赤ちゃんの顔色が悪いから、育児用ミルクを与えなくては…」と病院スタッフに脅され(?!)ましたが、最初は少なくても大丈夫だとママが認識して、あれこれ動揺して余計なストレスを溜め込まないのも大切です。

母乳を飲んでいる生まれたばかりの正期産児に、育児用ミルク・砂糖水・水などをあげる必要はありません。逆にママの母乳の量が減りかねません。最初の2~3日は、量が少なくても、赤ちゃんが頻繁にミルクを吸うことで、ママのミルクの量が3~4日頃から増えてきます。頻繁な授乳が一番のキーポイントです。アメリカでは、出産後数分内に授乳し、母子同室が一般的なので、母乳を頻繁に与えることができます。日本でもこのような体制が整ってきているようです。

赤ちゃんが溜め込んでいた水分が失われることにより、一時的な体重低下は正常であることも知っておくとよいでしょう。生後5日くらいから体重が増えはじめます。体重やおしっこの回数などは、掛かり付けの病院のアドバイスをもとにモニターしましょう。


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