対策
まずは、病気を起こす化学物質を同定することが重要です。本来、建築基準法で、化学物質は規制されていますので、違法資材を使っていないかどうかきちんと調べておきましょう。化学物質は、どうしても建物の維持や構造上必要になりますので、どれだけ少なくできるかが重要です。
家にいる時に、前のページのような症状があれば、化学物質の関与が疑われます。家の揮発性物質が関与しているなら、室内環境をよくすることが重要です。
- 換気を十分にする
- 家を建てるときに施工者にきちんと確認する
- 家具などの使用化学物質をチェックする
などです
しかし、「この家は危ないので、リフォームしましょう」と言ってくる業者には注意しましょう。信頼できる人に相談するのが一番です(怪しい民間療法の見分け方を参照してください)。
家とアトピー
アトピーの湿疹が、家にいると悪くなる場合は、家の中に原因があるかもしれません。もちろん、ダニ・ホコリ・カビの関与が大きく、その対策は重要です(梅雨に向けてのダニ対策と梅雨に向けてのカビ対策を参照してください)。特に、換気と掃除が一番簡単で、日頃からできる対策になります。
しかし、前のページで述べたように、家そのものが原因になっていることもあるのです。家の化学物質が原因かどうか、どうやって判断するかですが、血液中のホルムアルデヒドのIgEを調べれば、はっきりします。血液検査なら、現在どこでも受けることができます。化学物質の負荷試験も可能ですが、施設が限られています。「シックハウス症候群」の診断は、非常に難しいので、詳細はアレルギー専門医に相談してください。
ダニ・ホコリ・カビに加え化学物質のことも考えて、家の環境をよくしていくことも、アトピーの1つの治療方法です。
★豆知識 ホルムアルデヒド:刺激臭のある無色の気体。殺菌防腐剤、接着剤として広く使用。長期的には、発がんの可能性。 トルエン:シンナーのような芳香のある無色の液体。接着剤や塗料の溶剤及び希釈剤として使用。 |
【第1回】アトピーってどんな病気?
【第2回】アトピーの原因
【第3回】アトピーの検査
【第4回】アトピーの合併症
【第5回】アレルギー・マーチって何だ?
【第6回】アトピーと喘息の関係
【第7回】アトピーは遺伝するの?
【第8回】アトピーと「じんましん」の関係
【第9回】アトピーと花粉症
【第10回】家が原因?「シックハウス症候群」
<参考リンク先>
室内空気質健康影響研究会報告書
改正建築基準法に基づくシックハウス対策について
シックハウス症候群とは(空気をきれいに)
シックハウス症候群