■母親は自分の娘に何を望んでいるの?


突然ですが、将来子どもがほしいと思う女性に質問します。「1人しか子どもをつくらないとしたら、男の子と女の子のどっちがいい?」と聞かれたとき、あなたはどう答えますか?

かつては、子どもに土地や家、家業を継いでほしいと思う人が多かったため、圧倒的に「まずは男の子」と答える人が多かったでしょう。しかし都市型のライフスタイルと核家族化の進む現代では、継ぐべき家や家業をもたない家庭が多くなり、「どうしても男の子」と望む声は以前ほどは多くないと思います。

ところで、上の質問に「女の子」と答えた場合、その理由は何でしょう?もちろん、人によってさまざまでしょうが、こんな理由が頭に浮かんでいないでしょうか?

1 女の子なら、いつまでも母親のそばにいてくれるから
2 女の子はいずれ成長したら、母親と親友のような関係になれるから
3 女の子なら、将来親の老後をしっかり世話してくれるから

1~3のような思いは母親なら誰でも多少は感じたことのあるものなのかもしれません。しかし、これらの思いが非常に強いと感じた人は、自分が娘に感じている愛情が依存的なものでないかどうか、よく考えてみる必要がありそうです。

息子だって将来、老後の親の世話をしっかりみる人もいれば、親を思いやってまめにコンタクトをとる人もいます。しかし、現実には「娘なら息子より親のことを思ってくれる」と期待する傾向が強いのではないかと思います。

もちろん、多少、子どもに依存的な愛情を感じていたからといってそれが一生続くとはかぎらず、思春期を経て子ども自身が自立した生き方を望むようになれば、親も接し方をシフトしていくケースのほうが多いと思います。

しかし、たとえば夫婦関係に不満がある人のなかには、夫からの愛情に不足を感じている分、子どもとの強い精神的なきずなを求め、寂しさを埋め合わせたいという気持ちが強くなるでしょうし、また、子どものために自分の人生を犠牲にしたという思いの強い人のなかには、子どもとの生活のなかになんとしても自分の生きがいを見出したいと思う人も多いのではないかと思います。

こうした思いが強すぎて、子どもとの密着した関係を求めすぎてしまうと、子どもがいずれ親を負担に感じてしまったり、逆に子どもも親に依存し、自立心が育たなくなることもあるでしょう。

では、どうして母親は息子より娘のほうに精神的な一体感を求めがちなのでしょうか。それについては、次のページでふれてみたいと思います