「与えっぱなし」の毎日に、こころがすり減っていませんか?

母親

子育て、家事に追われる毎日……。充実感を感じていても、気がつけば与えるばかりの生活に感情が磨り減っているかもしれません。

子どもを持つお母さんたちの日常を一言で表すなら、「与えっぱなし」という表現がいちばんしっくりするかもしれません。

息つく暇もなく家事や育児の追われる毎日。でも、周りからは「主婦としてあたりまえ」「みんなやってきたこと」と思われがちで、仕事のように評価されたり、改めて感謝されたりすることも少ないもの。夫は会社帰りに息抜きができても、自分はたまのランチや美容院さえままならない。本当はイライラを誰かにぶつけたいのに、小さな子どもの前では「怒ってはいけない」「なるべく笑っていなければならない」……。

そんな「与えっぱなし」の毎日を続けた結果、自分の気持ちがすり減ってしまっていることに気づくお母さんは少なくないようです。

感情労働とは…いつも笑顔で子に接するのも「感情労働」のひとつ

みなさんは、「感情労働」という言葉を知っていますか? 決められた感情の管理を求められ、規範的な感情を商品価値として提供する仕事のことです。

たとえば、カウンセラーや看護師のような対人支援職は、感情労働の代表者。これらの職に就く人は、個人的な感情を仕事に持ち込むことは許されず、常に安定したおだやかな感情でクライエントや患者に接することが、プロとして求められるのです。対人支援職に限らず、接客業や営業職、教職に就く方々も広い枠組みでは感情労働に含まれるものと考えられます。

では、「お母さん」という仕事はどうでしょう? それぞれの家庭で「育児のプロ」であることを求められる母親は、子どもに対して常に安定したおだやかな感情を向けることが理想とされます。しかも、その仕事は一日中、週末や休暇もなく、子どもが成人するまでと考えても二十年もの間、日々休みなく続いていきます。こうしたお母さんの仕事こそ、立派な「感情労働」だと言えそうです。

感情を使いすぎてバーンアウトする前に

感情労働者が抱えやすいリスクがあります。それは「バーンアウト」。俗に言う燃えつき症候群です。バーンアウトとは、一つの仕事にやりがいを感じ、心血を注いで取り組んできた結果、燃え尽きて無気力になってしまう状態です。

たとえば対人援助職には、「困っている人を助けたい」という高い理想をもち、全力で仕事に取り組んでいる人が少なくありません。一方、自分のことを後回しにして仕事に没頭した結果、燃えつきて離職していく人も少なくないのが現実です。

では、「お母さん」という感情労働では、どうでしょう? 日々子どもと向き合えることに喜びを感じて、子育てに全力で取り組んでいるお母さんも多いと思います。一方、終わりのない子育てに疲れ果て、感情を吐き出せない毎日に窒息しそうになっているお母さんも、現実には少なくないものです。

最近、何をするにも億劫で、疲れが取れないと感じる場合、「お母さん」という感情労働に押しつぶされ、バーンアウト状態に近づいているからかもしれません。そんな場合、どうすればいいのでしょう?次のページで具体的な症状と対策法をご紹介します。