【イソフラボンと乳癌・前立腺癌】
大豆などの豆類が含有するイソフラボン(数種類の物質の総称)は、構造がステロイドホルモンに似ています。そのためイソフラボンはステロイドホルモンの受容体に結合することが可能です。ただし、性ホルモン様作用は強くありません。イソフラボンの血中濃度が高いと性ホルモンの作用が弱くなることになります。日本人に、性ホルモン依存性腫瘍の乳癌と前立腺癌が少ないのは、豆(主として大豆)由来のイソフラボンを常食しているためと、欧米では推定しています。
以前、イソフラボン測定で著明な英国の医師からの間接的な依頼を受けて、日本から男女50名ずつの計100名分の血清を英国まで冷凍航空便で送ったことがあります。測定結果を見ると、明らかに英国の同年齢層の人と比較して、日本から送った検体のイソフラボン類の血中濃度は高値でした。
【豆腐とおからの関係】
豆腐の成分と大豆の成分の関係は以下のとおりです。
豆腐=豆乳+にがり
=大豆―おから+にがり
=(大豆+にがり)―おから
豆乳は、砕いた大豆に水を加えて加熱して、濾した物です。
にがりは塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムの混合物で、豆腐を固めるのに用います。
おからは、豆乳を濾した時の搾り糟です。