マーケティング/マーケティング事例

新0円ビジネス!コーヒー無料の自販機登場(3ページ目)

1杯100円前後するカップコーヒー。2007年6月下旬にカップコーヒーが無料で飲める自動販売機が登場しました。なぜ無料なのか? そして提供する企業はどこから売上をあげるのか? そんなビジネスの謎に迫っていきます。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

0円ビジネスモデルの威力と難しさ

無料カップコーヒーは、今流行している0円ビジネスのモデルを自動販売機に取り入れたものです。0円ビジネスは、広告で成り立っている無料の情報誌や無料のコピー、無料のオンラインゲームや動画など様々な種類があります。従来は有料で提供してもおかしくない商品やサービスを無料で提供することにより、有料では獲得し得ない数の顧客を獲得することが可能になります。たとえば、首都圏で配布されている20代の若者をターゲットにした「R25」という情報誌は、無料とは思えない質の高さで60万部という発行部数を誇っています。

そういった意味で0円ビジネスは、質の高い商品やサービスを提供すれば利用者を集めることは比較的簡単。一方で、お金の入口、つまりスポンサーを獲得しなければいけません。

新0円ビジネス
0円ビジネスの成功には自社、利用者、スポンサーのWin-Win-Win関係が重要!
従来のビジネスモデルは、企業の提供する商品やサービスを利用するお客とWin-Winの関係であればビジネスがうまく回っていきます。0円ビジネスモデルは商品やサービスを利用するお客とお金を支払うスポンサーという三角関係になっているために、自社と利用者、スポンサーのWin-Win-Win関係を構築しなければ長く良好な関係を続けることができません。つまり0円ビジネスでは、より多くの関係者とWin-Winを実現しなければならないところに難しさがあります。

たとえば、インターネットサイトでは非常に質の高い無料情報や無料サービスを提供して0円ビジネスモデルを構築しようと試みる企業もたくさん存在します。そのため、結局は大きな収益をもたらすスポンサーが現れずに事業から撤退するという事例も数限りなくあります。

通常のビジネス以上に成功が難しい0円ビジネス。成功すればビジネスに与えるインパクトも大きいだけに、今後も新たな0円ビジネスモデルが続々と誕生してくることでしょう。成功するかはどうかは別にして、アイデアとしては一定時間の間無料で電話できる公衆電話や、ワンメーター分だけ無料で利用できるタクシーなどが挙げられます。

利用者が細分化できる、そして費用負担以上の広告効果が見込めるといった条件を満たすビジネスモデルをまずは構築していけば、新たな0円ビジネスの境地を開拓することもできるのではないでしょうか。


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