マーケティング/マーケティング事例

新0円ビジネス!コーヒー無料の自販機登場(2ページ目)

1杯100円前後するカップコーヒー。2007年6月下旬にカップコーヒーが無料で飲める自動販売機が登場しました。なぜ無料なのか? そして提供する企業はどこから売上をあげるのか? そんなビジネスの謎に迫っていきます。

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

無料カップコーヒーのカラクリとは?

無料といえども質の高いカプチーノやカフェラテが飲める自動販売機。それでは、1杯100円前後のカップコーヒーの代金はいったい誰が負担するのか?その答えは広告にあります。

メディカフェでは、自動販売機の取出し口の上に19インチ超のテレビモニターがついていて、カップコーヒーが抽出される30秒の間カップコーヒーの代金を負担するスポンサーの広告が流れるようになっているのです。つまり、利用者の代金はその自動販売機を使って広告を流すスポンサー企業が負担するというカラクリなのです。

新0円ビジネス
現代は広告が溢れて効果が低くなってきたために、企業は新たなプロモーション手法を求めている!
また、このメディカフェではモニターで流される映像に加え、コーヒーが注がれるカップにも広告が印刷されています。場合によっては携帯で読み取れるQRコードを埋め込んで、コーヒーを飲んでいる最中に携帯でスポンサー企業の携帯サイトにアクセスして、資料請求を行ったり、キャンペーンに応募したり、お客を誘導することが可能になっています。現代は私達の身の回りに広告が溢れ、テレビなど多額のプロモーション費用を負担しても効果が上がりにくい状況になっています。目新しい方法で消費者の注意を喚起するために、1人につき100円弱のコスト負担でターゲット顧客に確実にアプローチできるという仕組みになっているのです。

さらにメディカフェの優れた点は、自動販売機の利用者の属性に応じてプロモーションを展開できる点です。アペックスの設置する自動販売機は、大学や専門学校、病院や医療機関、特定の企業、高速道路のサービスエリアなど様々な場所にあります。たとえば、若者向けのカジュアルウェアなどを扱う企業でしたら、大学構内にある自動販売機に自社広告を流し、学生の興味を引くことも可能。健康食品を扱う企業でしたら、病院や医療機関にある自動販売機に自社広告を流し、健康に興味のある患者に対してピンポイントでプロモーションすることも可能です。また、高速道路ではドライバーが主な利用者になりますので、車関連の広告であれば高い反応率を期待できるのではないでしょうか。

今回新たに登場した無料でカップコーヒーが飲めるという「0円ビジネスモデル」。その威力と難しさ、そして他のビジネスへの展開についてお伝えしていきます。

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