変わる消費トレンド
消費トレンドは「安ければいい」から「高くても品質のいいものにこだわりたい」へ。 |
この野村総合研究所が実施している「生活者1万人アンケート」の中で、「重要視している消費価値観」という項目があります。アンケートによると「価格が品質に見合っているかをよく検討する」消費者が2000年には52.4%だったのですが、2003年には58.5%、2006年には62.9%と実に6年間で10%以上増加しています。一方で、「とにかく安くて経済的なものを買う」というアンケートでは2000年には50.2%が「YES」と回答していますが、2003年には46.9%%、2006年には45.3%と年々減少の一途を辿っています。
つまり、安ければいいという消費者は減り、品質に見合えばそれなりの価格でも購入するというこだわり型の消費スタイルを取る消費者が大幅に増加してきているのです。
アンケート結果を参考にすると、企業はこれまで厳しい価格競争という現実からいかに安い商品を提供するかということに腐心してきましたが、この考え方を転換する時期が訪れたと言えるのではないでしょうか。ヘアケア市場において高級シャンプーがヒットしたという事実からも消費トレンドの変化は明らかです。
この観点から高級シャンプー戦争の第二幕では、プロモーション戦略で目立つことも重要だと思いますが、それ以前にやはり価格に見合った品質を備えた商品を提供しているかが重要になってきます。顧客は、いろいろな商品を試してみて自分にとって最も価値のある商品をリピートします。数百円程度の価格差にこだわらずその価格に見合う以上の価値を提供すれば、さらに高い価格帯での高級シャンプー戦争も顧客の支持を受けて活況を呈すのではないでしょうか。
現状ではどのブランドが勝利するかを予測することは難しい。消費トレンドから見て価格で決着がつくのではなく、顧客により高い価値を提供できるブランドが勝利するのは間違いないでしょう。