なぜ同じ商品なのに売れ行きが全く違うの?
お客は商品を購入するのではない。その商品を購入することによって得られる満足感を購入するのだ! |
それはマーケティング戦略を駆使して、消費者の心理を巧みに汲み取り、購入を喚起することに成功していることに他なりません。たとえば、受験生にとって普通のチョコレートでは、それがよっぽど好きな人を除けば受験シーズンに買う理由は見当たりません。ところが「そのチョコレートを買うと希望校に合格する」というお守り的な付加価値を商品に加えることによって、普段買わないチョコレートでも受験生にとっては買う理由が発生してくるのです。
特に受験はメンタル面が非常に大きなウェートを占め、受験生にとっては藁にすがる思いで受験までの日々を過ごしています。ナイーブな受験生は心の安定を図るために、合格に結びつく商品やサービスが提供されれば購入する確率は非常に高くなってくるというわけです。
受験は、毎年多くの人が同じ時期に同じ悩みを持つという特殊事情があります。そして、ターゲット顧客にパッケージやネーミングなど心理面からの絶妙のプロモーションを行って、悩みを解決するための商品をタイムリーに提供するというマーケティングがうまく機能すれば、たとえパッケージの中の商品は同じでも通常の時期よりも売上が大幅にアップするのは当然の流れと言えるでしょう。
実のところ、受験生にとって商品はどのようなものでも構わないのかもしれません。というのはお守りと同じで、受験前の不安な気持ちを解消することがその商品の価値と言えるからです。
このように商品自体は同じでも、不安の解消という感情的な付加価値を加えることによって商品の差別化を図り、売上面での貢献を期待することができるのです。