マーケティング/マーケティング事例

ナイトミルクって何? 夜用商品のブーム到来(3ページ目)

「夜専用」を謳った商品が、続々とヒットを飛ばしています。なぜ今、夜専用商品なのか? その謎に迫っていくと、現代社会が抱える特有の背景が……。現代で爆発的にヒットを記録するマーケティングとは?

安部 徹也

執筆者:安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶガイド

夜用商品が増えてきた理由とは?

女性の社会進出によるライフスタイルの変化
働く女性の増加で消費者のライフスタイルも大幅に変わってきた!
これまで見てきた続々と増える夜用製品。なぜ今、このように夜用製品がブームを迎えているのでしょうか?

その理由としては、現代人のライフスタイルの変化があります。たとえば、近年は女性の社会進出も目覚ましく、深夜に帰宅する女性も珍しくありません。そこで、これまで日中行っていた活動の時間がずれて、夜遅く行動する人が実に多くなっているということなのです。

従来のマーケティングの手法では、性別や年齢、年収などで消費者を分類し、ターゲットとする顧客に対して商品を開発して販売してきました。ところが、現代は消費者のライフスタイルが多様化して、このようなデモグラフィックなセグメンテーションは通用しにくくなってきています。

たとえば、高価なブランド物のバッグなどは従来のマーケティングでは年収で市場のセグメンテーションを行い、高い年収層にターゲットを定めて販売していくことがセオリーでした。しかし、今や消費者の価値観は多様化し、たとえ年収は低くてもそのバッグに価値を見出せば、普段の生活は100円ショップなどを利用して節約し、クレジットカードなどの分割払いを利用してでも、年収にはそぐわない超高級商品でも購入する時代になったのです。こだわらないものは安く済ませこだわるものにはとことん予算をつぎ込む、「こだわり型」消費時代の到来と言っても過言ではないでしょう。

こだわり消費時代には従来の性別や年収、年齢、地域などのデモグラフィック的な軸によるセグメンテーションでは、ヒット商品を生みにくくなってきました。そこで最近は、消費者のライフスタイルの変化に着目してセグメンテーションを行う企業が増えてきたのです。

実のところ、今回紹介した夜用製品ばかりでなく、アサヒ飲料のワンダモーニングショットのように「朝専用商品」も続々と開発され、大ヒットを記録しています。このように従来のデモグラフィック的なセグメンテーションからライフスタイルを重視したセグメンテーションへ、そしてその中でも時間軸によるセグメンテーションに企業が注目したことが、夜用製品の爆発的増加に繋がっているというわけです。

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