コーチング/コーチング基本知識

会社を救う鍵は「コーチング」(2ページ目)

コーチングとは、相手が目標に向かって前進することをコミュニケーションを通じてスピードを速めることです。そのためにコーチングの基本についてご紹介します。

平野 圭子

執筆者:平野 圭子

コーチングマネジメントガイド


マネジャーやリーダーがコーチングに注目する理由

部下育成とコーチング
トップダウンのリーダーシップスタイルからコーチ型リーダーシップスタイルへの移行が求められている
現場のマネジャーやリーダー自身のコーチングへの注目も高まっています。

トップダウン型の組織では、権限を与えられた一部の層の人たちが考え、指示し、他の人たちがそれに従うというモデルが一般的でした。リーダーたちは与えられた権限によってメンバーを動かすことができたのです。しかし、今は年功序列終身雇用といった概念も過去のものとなり、新入社員の3割が3年以内に転職してしまう傾向にあります。権威を振りかざしても部下は動かず、部下は会社を辞めてしまうのです。

リーダーたちは権限に加え、1対1で人と関わり人を動かす影響力なしにはリーダーシップを発揮することが難しいということに気づき始めました。

「管理型リーダーシップ」と「コーチ型リーダーシップ」の違い

コーチ型リーダーシップとは、組織のリーダーやマネジャーがコーチングスキルを身につけ、日々の業務管理や目標達成、部下育成などのマネジメントに活用する方法です。並行して、部下にコミュニケーションや仕事の知識、スキル、問題対応などの能力を身につけさせます。つまり、部下が自発的に学び、創意工夫し、より早く、より大きな目標を達成する能力を身につけさせ、成長の機会を与えるのです。マネジメントにコーチングを生かすことで、離職率の低下、業績向上、チームワークの向上などの成果を出すことができます。

コーチングを身につけたリーダーは具体的にどのような行動をしているのか、指示命令や権限を背景とする「管理型リーダーシップ」と比較する形で紹介しましょう。

■管理型リーダーシップの特徴
  • 結果だけを重視しがち
  • 実行することを指示する
  • 緊急時の対応に適している
  • 相手の弱み、間違いを指摘する
  • リーダー自らが教える
  • 実行のスピードが速い
管理型リーダーシップは物事の実行に重きをおくため、リスクマネジメントなど速やかな対応が必要な状況や、経験のない新人に重要事項を学ばせる際などに有効です。一方、この方法のみだと、指示待ち族をつくる、部下を疲弊させる、部下の考える力を低下させるなどの長期的な弊害が生じる恐れがあります。また、指示内容が上司自身の経験や判断のみによるため、チームの業績や成長がその枠内に留まるというデメリットもあります。

■コーチ型リーダーシップの特徴
  • 結果を意識しつつも現在進行形で関わる
  • 相手からアイディアを引き出す
  • 緊急時の対応には適さない
  • 相手の努力や成長に注目する
  • 相手から引き出す
  • 時には時間を要する
コーチ型リーダーシップは部下それぞれのアイディアや特性を活かし、能力を伸ばすことに注力するため、ある程度時間や労力を部下のために費やすことをリーダーは求められます。そうした関わりを通して、部下の考える力ややる気を育てることができるため、長期的には自発的に動く人材の育成やより高いパフォーマンスを期待することができます。また、上司の枠を超えたアイディアや可能性を引き出すこともできます。
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