2001年のことです。営業上の信用面からいっても、そのほうが有利だろうと考え、IT系企業に務める知人をパートナーに、有限会社を立ち上げました。
●広告営業をするうえで、週末起業で運営されていることは、ネックになりませんか?
とくに自覚したことはありません。商談は、会社が終わったあと、夜8時くらいからおこなうので、先方もだいたい事情を推察しているようですが――。それでも、現在の契約社数は50社以上。ライブイベント企画会社が中心です。広告収入は、年間640万円ほどでしょうか。
●Tシャツの販売もされているようですが
「マッチングだけでなく、リアルな商品も手がけたいね」とパートナーと話していて、思いついたのが「バンドTシャツ」。さっそく、ある老舗Tシャツメーカーさんに提案したところ、大いに盛り上がり、スタートしたのです。こちらのほうも順調ですよ。デザインのデータを送ってもらい、プリントを発注。差益分が当社の売上になります。2004年9月の売上高は約100万円を形上しました。
●本業のかたわら、お仕事されるのは大変ではないですか?
コンテンツ制作をはじめ、すべて外注しているので、作業時間はさほどかかりません。メール対応するのに約1時間かかる程度でしょうか。とはいっても、ついついサイトを覗きたくなり、パソコンにしがみついている時間が長くなってしまうのですが・・・(笑)。
●家族や職場の反応はいかがですか?
そもそも週末起業をしようと考えたのは、家族のため。自分でビジネスを起こし、収入を増やしたかったのです。妻はwith9の仕事には関わっていませんが、私が週末に仕事ができるよう、最大限の理解をし、協力してくれています。職場では一部の同僚が知っていますが、上司などに伝えてはいません。
●この仕事をしていて一番嬉しかったことは?
サイトでの縁がもとで結成されたバンドが、プロデビューしたんです。最高の気分でしたね。人と人をつなぐ喜びをしみじみ味わいました。
●最後に展望をお聞かせください
近々、実現したいことが2つあります。ひとつは画像コンテンツの立ち上げ。文字情報だけでなく、演奏中の画像や音声もぜひ提供したいところです。
もうひとつは、登録会員が知人を紹介しあえる「ソーシャルネットワーク」システムです。導入すれば、サイトの人脈開発能力はぐっとアップすることでしょう。いずれも現在、開発の打ち合わせをおこなっているところ。来年3月にはスタートしたいですね。
最終的には独立するのが夢。今は週末起業で一歩一歩、着実にビジネスをおこなってゆきたいと考えています。
Profile お名前:小倉さん(仮名・44歳・OA機器関連会社) 有限会社ウィズナイン・ネット・サービス 代表取締役 「With9」 開業:1998年12月 年商:約640万円 |