【第1回】出版企画は、誰がどのように立てているのか?
【第2回】売れる本の3要素とは
【第3回】何をテーマに書いたら売れる?
【第4回】出版社は、どうやって書き手を見つけているのか?
【第5回】出版社へ売込む方法!?
【第6回】気になる印税、新人は何%?
「売れる本の書き方講座」第6回目、いよいよ最終回となりました。それではここで、これまでのポイントを振り返ってみましょう。
■出版社は、売れる本(企画)をどこで判断?
・企画書なら、先ず「タイトル」
・原稿がある場合は、「内容」と「読者対象」
★評論、エッセイはジャンルで即ボツ、これはプロの領域。新人が狙うなら、「自分の体験」や人が「不便」や「分からない」と感じているネタで、読む人に“おや?”“へぇ~”と思わせるもの。
■売れる本の要素は?
・トップは「タイトル」、次に「書き出し」、最後に「内容」
★実際、タイトルを変えただけで売れ出す本もある。その位、本のタイトル付けは重要。
■売れる本のテーマは?
・今、売れる本は、読者にとって「実際に役立つもの」
★自分に書けるテーマを探すには、「好きなこと」「だれにも負けない得意なこと」「特別思い入れをもっていること」「だれもが驚く意外な体験」を考えてみよう。その上で、本にするだけの内容となるか、「実際に役に立つ情報」かどうか、とことん吟味してみる。
■本を出すチャンスはどうやってつかむ?
・メルマガを出して、読者を集める
・(原稿を書く前に)企画書を書いて出版社へ送る
★今や出版界にとって、新人発掘の宝の山となる人気メルマガ。
企画持込みをするなら、知人をあたり、出版社や編集プロダクションに知り合いがいないか探して、編集者を紹介してもらおう。
さあ、ここまで来ると、既にコンテンツがある方、温めている企画がある方は、次のアクションをどう起こすかになってきますね。
思わず、定価がいくらなら、何部売れれば…と「取らぬタヌキの皮算用」をしたくなります。そこで、この計算に必要なのが「印税率」。相場は10%と聞きますが、実際にはどうなのでしょうか。
それでは、最終回。気になる印税について、お伺いしていきます。
<INDEX>
・気になる印税。基準は10%だが…
・印税率の相場はどのくらい?
・原稿の出来不出来でも印税率が変わる
・印税の支払われ方にも色々あり
・新人の初版、刷部数はどのくらい?
・質議応答タイム
<大森千明氏プロフィール>
1971年朝日新聞入社。経済記者としてスタート。95年にアエラ編集長。その後出版部門に移り、週刊朝日編集長を務める。2001年1月朝日新聞の出版部門を統括する出版本部長に就任。03年2月から出版担当付。03年4月から、帝京平成大学非常勤講師。著書に『不自由経済』『嵐の中のサラリーマン』(いずれも共著、朝日新聞社刊)等がある。
気になる印税。基準は10%だが…
気になる印税、新人の場合はいくらもらえるのでしょうか? |
では、一体いくらもらえるのでしょうか。
「あなたにもベストセラーが書ける」みたいな本を読むと、必ず出てくるのが印税生活です。いったん本を書けば、売れ続ける限りお金が入ってくるわけですから、旨味があります。(しかし現実はそうは甘くはありません。)気になる印税について触れておきます。
■印税は、次の式で計算
印税=販売価格×発行部数×印税率
■販売価格1,500円、発行部数1万部、印税率10%の場合
印税=1,500円×1万部×10%=150万円
※源泉所得税(20万)が引かれるため、手取金額は130万円。
100万円以下:税率10%、100万円超:20%(超えた分に対して)
ということで、発行部数が多くなればなるほど、受け取る印税も大きくなります。
1万部なら-----150万円
10万部なら----1,500万円
100万部なら---1億5,000万円
何十万、何百万と売れると、本当に「夢の印税生活」です。
昔から印税といえば10%といわれてきました。しかし、最近は出版不況が影を落としているせいもあり、かなり変わってきています。
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