在庫管理では情物一致させるのが至難の業

在庫管理では情物一致させるのが至難の業

在庫管理では情物一致が難しい

せっかく在庫管理システムが入っているのに活用できていないケースは意外に多いもの。顧客から注文が入ると担当者が在庫管理システムの画面を見ず倉庫へ走り、現物確認している企業があります。

これは画面に出ている在庫の数字が信用できないからです。コンピュータデータを信頼して仕事をしていません。どうしてこういう行動になるのでしょうか。

在庫管理では「情物一致」させるのが至難の業です。「情物一致」というのは情報の流れと物の流れを一致させることですが、これが一筋縄でいきません。

入庫と出庫との差が在庫になりますが、入庫数、出庫数は人間が伝票などを見ながら在庫管理システムに入力しなければなりません。大切なのは物の流れと情報の流れのタイミングを合わせることです。

倉庫業務の動きとして、「朝に出庫伝票をもとにして出庫および配送を行い」「出庫伝票が総務部へ回され」「夕方に在庫管理システムへ記録す」るのであれば、朝から夕方の間はコンピュータ内の在庫と倉庫の実在庫が合わなくなります。

他にも人間が介在しますので、色々な間違いが発生します。

在庫管理システムを活用するには、まず関係部門が集まって現業がどうなっているか分析する

在庫管理システムを活用するには、まず関係部門が集まって現業がどうなっているか分析する

在庫管理システムがうまくいかないワケ

・本採用に向けてサンプル出荷した在庫の引当をしなかった
・取扱品目が多く、品名などを確実に調べずに出庫指示したため誤配した
・検収が済んでいない在庫を引き当ててしまった
・不良品や返品が出た時の管理規定が整備されていず担当者任せになっている

在庫管理システムを導入した当初は、棚卸をしてコンピュータ内の在庫と実在庫をあわせたところからスタートしたはずです。ところが上記のようなことが一つ一つが積み重なり、最終的に信用できない在庫管理システムになってしまったわけです。では解決するにはどうしたらよいのでしょうか?

まずは関係部門が集まって現業がどうなっているか分析します。在庫の状態や在庫管理の流れを物の動きと情報の動きから分析します。

次に、「あるべき姿」を考えていきます。「情物一致」させるにはどういう業務の流れにすれば一番よいか、なるべく使っている在庫管理システムを変更せずに済む方法を考えます。

例えば、物と情報のタイミングがあうようにデータ入力する部門を変更します。朝から夕方の間に実在庫が合わないのならば、出庫する倉庫部門が出庫するタイミングで在庫管理システムへ入力するようにすれば解消できます。また、チェックが機能するよう出庫伝票と在庫管理の画面プリントをつけて総務へ回し、二重チェックします。

棚卸回数を増やして在庫精度を上げる

今まで年1回の棚卸ならば、棚卸頻度を増やすことで在庫精度を上げることを考えます。

従業員を駆り出して棚卸を行うのが大変であれば、費用はかかりますが棚卸を専門で行う業者がありアウトソーシングします。

営業担当者が在庫システムを信用せずに倉庫に走って確認しているようであれば、確認時間のコストや機会ロスを考えると十分にお金を出しても引き合うはずです。

また全体の棚卸を行うのは年1回とし、倉庫全体を例えば11区画に分けて、毎月1回どこかの区画の棚卸を行うようにすれば、それほど労力を増やさず年2回棚卸ができます。

棚卸頻度、バーコード管理などで在庫精度を上げる

棚卸頻度、バーコード管理などで在庫精度を上げる

バーコード管理やICタグの導入で精度を上げる

在庫管理をグレードアップする場合は、例えば商品ごとにバーコードを貼り、入出庫時にスキャナーで読み取って即座に在庫管理システムに反映させるシステムが考えられます。ただし、商品にバーコードを貼る手間や設備投資が発生します。

商品個々にバーコードをはらず商品を保管している棚にバーコードをはり、ハンディスキャナーでバーコードを読み取って、入出庫の数量を入れるやり方にすれば、個々の商品にバーコードを貼る手間をなくせます。

価格が下がってきたRF-ID(無線ICタグ)を活用し、無線で入出庫情報のやり取りを行えば、人間の介在をさらに減らすことができます。情物一致の切り札になると期待されています。

在庫管理そのものは、業務的に裏方の仕事と思われがちですが、常に見直し、より良く改善していけば企業に利益をもたらす源泉となります。

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