自宅で仕事

中小企業の経営者の場合、自宅で仕事の一部をしなければならない場合があります。特に給与・人事関係や経理関係の重要で秘密にしたい内容は、なかなか普段いる会社では行えない仕事です。また、役員や幹部だけの会議を経営者の自宅で開くこともあるのではないでしょうか。

このように、経営者の自宅の一部が、事務所として会社事業の一環として使われているのであれば、自宅の一部を事務所として経費処理することが可能となるでしょう。

SOHOの場合も

SOHOとは、スモールオフィス・ホームオフィスを略した言葉です。自宅の一部を事務所などに使用している形態をいいます。会社形態のほか、作家、設計士やコンピュータ関係のプログラマーなどさまざまな業種に拡がっています。
自宅をオフィスや店舗にするので、オフィスや店舗を借りる費用が節減できます。また、家族と一緒にいられる時間が多くなるというメリットもあります。

家賃を経費に計上する

自宅の一部を事務所にする場合であれ、SOHOの場合であれ、実質的に自宅を事業に活用しているのであれば、例えば、その家賃を経費に計上できます。

まずは、会社と経営者との間で不動産賃貸借契約を締結しましょう。そして、当然のことながらその家賃額は、近隣相場と同程度になるようにするべきです。さらには、実際の家賃支払いもちゃんと口座に振り込みましょう。

計算根拠は?

家賃の計算根拠としては以下を参考にしてください。

(賃貸の場合)
家賃を支払っている場合にはその家賃を使用床面積割合など合理的な基準で按分する。

(持ち家の場合)
賃貸にしたときに適正と認められる金額に上記同様、使用床面積割合など合理的な基準で按分する。

ここで問題となるのは、会社が経営者に支払う家賃が合理的な基準で算出した金額相当額を超える場合です。この場合、実際に支払った家賃と合理的な基準で算出した金額相当額との差額については、経営者(=役員)に対する給与扱いとなり、給与課税されますので、ご注意ください。

ポイントは?

経費として処理するポイントは、仕事とプライベートの区別をはっきりとつけることです。節税という観点からは、金銭面でも仕事とプライベートの区別をクリアにしておく必要があります。

自宅が仕事場というときには、まず、作業効率面から考え、プライベートのスペースと仕事のスペースをきっちりと分けることです。仕事専用の部屋を持つことが一番望ましいといえるでしょう。

電気代、電話代は?

電気代、電話代、ガス代、水道代などについても次のようにしておけば経費処理できるでしょう。

(1) 電話代やファクシミリ、インターネットの回線使用料など → 仕事専用のものを引く
(2) 電気・ガス・水道代 → メーターを分けるのが望ましい。無理であるなら仕事部屋部分とプライベート部分の床面積などによって按分する。
(3) 新聞購読代など → 会社名の領収書を受け取る。

会社から支払われる家賃は、経営者の不動産所得になる!

会社から経営者に支払われる家賃は、経営者個人からすれば受取家賃となり、不動産収入が生じることになります。

しかし、経営者の自宅が賃貸の場合、経営者が支払う家賃と会社からの家賃収入が相殺されるため、結論として不動産所得は生じません。
一方、経営者の自宅が持ち家の場合、経営者個人にとっては会社からの家賃収入は不動産所得になります。これに対しては、家屋の減価償却費や固定資産税、借入金利子を計上することにより節税しましょう。

また、会社としては、新たに事務所が増えることになり、地方税均等割税金の負担についても考慮する必要があります。



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