そもそも、医療費控除とは何か?

医療費控除を受けて税金を戻す

医療費控除を受けて税金を戻す

医療費控除とは、年間の医療費が一定額を超える場合に適用できる控除です。

その一定額とは、10万円。(所得200万円以下の人はこのラインが下がります)。年間の医療費が10万円を超える場合に、その超える部分が医療費控除の対象となります。

また、平成29年分の確定申告から、「セルフメディケーション税制」が創設され、通常の医療費控除との選択適用になります。詳細については、後述致します。

通常の医療費控除の対象となるものとは?

医療費控除で税金が戻ることはご存知の方も多いのですが、いざご自身でされるとなると、意外と煩雑な処理となり、申告書の完成までたどり着けない方もいるようです。

その理由の1つが、面倒さや医療費控除の対象になるのかどうかの判定の複雑さにあるのではないでしょうか。

そこで今回は、
  • 1. 一般的に医療費控除の対象になるもの 
  • 2. 条件次第で対象になるもの 
  • 3. 一般的に対象にならないもの 
に分けて説明します。

  • 1.一般的に医療費控除の対象になるもの
医療費控除の対象になるかどうか迷いそうな項目で、一般的に医療費控除の対象になるものを列挙します。

  • 入院・通院時の必要な電車・バス代
  • 入院時の必要な食事代
  • 不妊治療・人工授精
  • 出産費用(ただし、出産育児一時金がある場合は差額のみ対象)
  • 海外旅行先で支払った医療費
  • 虫歯の治療

  • 2. 条件次第で対象になるもの
医療費控除の対象になるかどうか迷いそうな項目で、条件次第で医療費控除の対象になるものを列挙します。

  • 成人のおむつ代
  • 患者の世話のための家政婦代
  • 差額ベッド代
  • マッサージ・はり・きゅうにかかる費用
  • 歯列の矯正費用
  • 入院・通院時のタクシー代

  • 3. 一般的に対象にならないもの
医療費控除の対象になるかどうか迷いそうな項目で、一般的に対象にならないものを列挙します。

  • 眼鏡・コンタクト代
  • マイカー通院の場合のガソリン代
  • 通常の人間ドック費用
  • 栄養ドリンク代
  • カイロプラクティック
  • 予防接種費用
  • 診断書作成代

セルフメディケーション税制とは?

平成29年分の確定申告により、「セルフメディケーション税制」が導入されました。

「セルフメディケーション税制」とは、健康の保持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行っている方が、平成29年1月1日以後に自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族のために「特定一般用医薬品等購入費」を支払った場合には、一定の金額の所得控除(医療費控除の特例)を受けることができるというものです。

  • 特定一般用医薬品等購入費」とは
医師によって処方される医薬品(医療用医薬品)から、ドラッグストアで購入できるOTC医薬品に転用された医薬品(スイッチOTC医薬品)の購入費をいいます。控除対象となる医薬品は、購入した際の領収書(レシート)にセルフメディケーション税制の対象であることが表示されています。

セルフメディケーション税制による医療費控除額は、実際に支払った特定一般用医薬品等購入費の合計額(保険金などで補填される部分を除く)から1万2千円を差し引いた金額(最高8万8千円)です。

セルフメディケーション税制は医療費控除の特例であり、従来の医療費控除との選択適用となりますので、いずれか一方を選択して適用を受けることができます。

なお、「特定一般用医薬品等購入費」が、治療等に必要な医薬品の購入対価であれば、通常の医療費控除をすることも可能です。

確定申告書作成において、集計する用紙が異なりますので、注意しましょう。

(通常の医療費控除の明細書)
www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/ref1.pdf

(セルフメディケーション税制の明細書)
www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/ref2.pdf


医療費控除を受ける場合の提出書類の簡素化

平成29年分の確定申告から医療費控除を受ける場合、必要な提出書類が簡略化されています。

平成28年分以前は、医療費控除の適用を受ける場合、医療費の領収書を確定申告書に添付あるいは確定申告書を提出する際に提示していました(電子申告の場合を除きます)。

しかし、平成29年分以後については、医療費の領収書に基づいて「医療費控除の明細書」を作成し、これを確定申告書に添付することにより、医療費の領収書の提出または提示が不要に簡略化されました。

経過措置として、平成31年分の確定申告までは、「医療費控除の明細書」の提出に代えて、従来の医療費の領収書の提出又は提示によることもできます。

「医療費控除の明細書」には、医療費の領収書等に記載された次の事項を記載します。
(「医療を受けた方の氏名」、「病院・薬局などの支払先の名称」ごとにまとめて記入可能)

1.医療を受けた方の氏名
2.病院・薬局など支払先の名称
3.医療費の区分
4.支払った医療費の額
5.4のうち生命保険や社会保険などで補填される金額

なお、医療費控除の内容を確認するため、「医療費の領収書」の提示又は提出が求められる場合がありますので、確定申告期限から5年間、ご自宅等で保管してください。

また、医療保険者が発行する「医療費通知」(医療費のお知らせなど)を確定申告書に添付する場合、「医療費控除の明細書」の記載を簡略化することができ、医療費の領収書の保存も不要となります。

なお、医療費通知とは、医療保険者が発行する以下の全ての事項が記載された書類をいいます。
(後期高齢者医療広域連合から発行された書類の場合は3を除く)

1.被保険者等の氏名
2.療養を受けた年月
3.療養を受けた者
4.療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
5.被保険者等が支払った医療費の額
6.保険者等の名称

なお、すべての事項の記載がない通知は「医療費通知」として利用できませんので、医療費の領収書から「医療費控除の明細書」に記入してください。

少し手続きは面倒かもしれませんが、国税庁ホームページをフル活用して、ぜひ積極的にタックスリターンのための確定申告をしましょう。




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