固定資産台帳は毎決算期にチェック

固定資産とは、基本的に取得価額が10万円以上であり、かつ使用可能期間が1年以上であるものをいいます。

法人が使用する建物や機械等の固定資産(減価償却資産)の取得費は、その全額を取得した事業年度の費用とするのではなく、減価償却資産としてその取得費を使用可能期間に配分して必要経費(減価償却費)に算入します。これらの減価償却資産について、その減価償却計算の基となる「固定資産台帳」に記載して管理します。

税理士などが関与している法人の場合には、通常は税理士が固定資産台帳を作成することが多いので、法人は決算書の作成時ぐらいしか見ることがないかもしれません。しかし、税理士はその台帳に記載されている資産が実際に存在するのかどうかまで把握していません。把握できるのはその法人の関係者となりますので、必ず決算月には固定資産台帳に記載されている資産が存在しているかどうか確認してください。

特に、本社や工場の移転があった場合などでは、すでに処分して現場にはない固定資産がまだ台帳に残っていることがよくあります。


「資金不要の永久節税」である固定資産除却損 

固定資産が使用できなくなると、通常は廃棄します。このような場合、会計上は「除却」という用語を使用し、その固定資産の簿価相当金額を「固定資産除却損」として費用計上できます。

昨今の決算ではあまり見受けられなくなりましたが、一昔前の決算においては黒字にするために、あえて減価償却費を計上しないこともありました。このような場合は、耐用年数は既に経過しているにもかかわらず、簿価が大きいままということもありますので、廃棄処理した場合に大幅に利益を圧縮できるケースもあります。

なお、固定資産を処分するに当たって、その処分した事実と日付を証拠として残されることをお勧めします。できれば、スクラップ業者などに依頼し、「廃棄証明証」などを発行してもらうといいでしょう。このように、今後の税務調査対策も忘れずにしておきましょう。


一括償却資産を除却した場合

減価償却資産で取得価額が20万円未満のもの(10万円未満で費用処理したものを除く)を一括償却資産として、基本3年間の均等償却とすることができます。

この一括償却資産を事業供用した事業年度後の各事業年度において除却した場合であっても、その簿価相当金額を除却損とするのではなく、除却がないものとして計算した減価償却費しか費用計上できませんので注意が必要です。


ソフトウェアの除却

有形固定資産については、現物と台帳との照合ができますが、目に見えない固定資産については、注意が必要です。その代表的なものとして「ソフトウェア」があります。

ソフトウェアについては、物理的な除却、廃棄、消滅等がない場合であっても、次に掲げるようにそのソフトウェアを今後事業に使用しないことが明らかな事実があるときは、そのソフトウェアの簿価(処分見込価額がある場合には、これを控除した残額)をその事実が生じた事業年度の費用計上としてできます。

1.自社利用のソフトウェアについて、そのソフトウェアによるデータ処理の対象となる業務が廃止され、そのソフトウェアを利用しなくなったことが明らかな場合、又はハードウエアやオペレーティングシステムの変更等によって他のソフトウェアを利用することになり、従来のソフトウェアを利用しなくなったことが明らかな場合

2.複写して販売するための原本となるソフトウェアについて、新製品の出現、バージョンアップ等により、今後、販売しないことが社内稟議書、販売流通業者への通知文書等で明らかな場合

そのほかにも、長期前払費用として計上している事務所の権利金(20万円以上)についても、移転があったときには償却する必要がありますが、処理漏れとなっていることもあります。

御社の固定資産台帳に「ゴースト資産」はありませんか?固定資産の棚卸を実施することで資金不要の節税になることがあります。



※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。