節税対策/その他の税金の節税対策

減価償却資産の取得価額に含めないことができる費用

減価償却資産を購入した場合の取得価額について、本体価格以外の付随費用はどのように処理していいのか迷うところです。会社の経理によって費用処理できるものもありますので確認していきたいと思います。

今村 仁

執筆者:今村 仁

中小企業・個人事業主の節税対策ガイド

減価償却資産の取得価額とは

購入した減価償却資産の取得価額は、次の1と2の合計額となります。

  1. その資産の購入代価(引取運賃、荷役費、運送保険料、購入手数料、関税その他その資産の購入のために要した費用がある場合には、その費用の額を加算した金額)
  2. その資産を事業の用に供するために直接要した費用の額

例えば、パソコン本体84,000円(税込)、設定等16,800円(税込)とした場合、取得価額は会社が税込経理をしているか税抜経理をしているかにより異なります。
(税込経理) 84,000円+16,800円=100,800円
(税抜経理) 84,000円×100/105+16,800円×100/105=96,000円

税込経理の場合は取得価額が10万円以上となり、資産計上しなければなりません。ただし、青色申告書を提出する中小企業者等は、取得価額30万円未満であれば年間300万円まで費用として処理することができます。
一方の税抜経理の場合は取得価額が10万円未満であり、費用処理することができます。

減価償却資産の取得価額に含めないことができる付随費用

原則的な取り扱いとは別に、次に掲げるような費用については減価償却資産の取得に関連した費用であっても、取得価額に算入しないことができます。

1.以下の租税公課等
・不動産取得税又は自動車取得税
・新増設に係る事業所税
・登録免許税その他登記や登録のために要する費用

2.建物の建設等のために行なった調査、測量、設計、基礎工事等でその建設計画を変更したことにより不要となったものに係る費用

3.いったん結んだ減価償却資産の取得に関する契約を解除して、他の減価償却資産を取得することにした場合に支出する違約金

4.減価償却資産を取得するための借入金の利子

5.割賦販売契約などによって購入した資産の取得価額のうち、契約において購入代価と割賦期間分の利息や代金回収のための費用等が明らかに区分されている場合のその利息や費用

車を購入した場合

車を購入した場合で考えてみると、車本体価格のほかに次のような諸費用などがかかります。
(1)自動車取得税、(2)自動車重量税、(3)自動車税、(4)自賠責保険料、(5)検査登録費用、(6)書庫証明費用、(7)カーナビ購入代

まず、(1)自動車取得税と(5)検査登録費用と(6)書庫証明費用については本来その取得価額に算入すべきものですが、会社がこれらを費用処理している場合には取得価額を含めないことができます。

次に(2)自動車重量税と(3)自動車税と(4)自賠責保険料については、車の取得に関連するものではなく、車を所有することにより支出する事後的費用と考えられますので、費用処理し車の取得価額には含みません。

(7)カーナビ購入代ですが、車に標準装備の場合は車の取得価額に含めます。また後付けでカーナビを設置する場合も、車に対する資本的支出となりますので原則資産計上となります。ただし、青色申告書を提出する中小企業者等の場合、そのカーナビの取付費用も含めた取得価額が30万円未満の場合は、その取得価額の全額を損金処理することができます。

土地建物を購入した場合

土地建物などを購入した場合にも車と同様の諸費用がかかります。この場合においても、登録免許税、司法書士報酬、不動産取得税なども費用として処理することができます。なお、不動産の購入に際して固定資産税相当額について売主と買主で精算し契約書の売買価格とは別に支払うことがあります。この場合の固定資産税相当額については、その不動産の取得価額に含めなければいけませんのでご注意ください。

資産を購入した場合には、見積書や請求書などを参考に費用処理できるものがないかどうかご確認ください。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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