自宅の住宅部分(バルコニーを含む)についての対策
- 居室への感知警報装置(火災感知器)の設置
- バルコニーを通って直通階段(※)、あるいは、隣戸に逃げられるような設計構造
- 避難器具(避難はしごや避難ロープ等)の設置
- 玄関や窓、界壁・界床などに、延焼を防止できるだけの耐火性能を持たせる
(※)直通階段とは、地上などの安全な場所に通じる階段のこと
ニチアスは、こうした耐火部材を主に取り扱う大手建材メーカーですが、本来、同社はマンション住人を「火災から守る」立場にいるはずです。にもかかわらず、サンプルを偽装し、不正に大臣認定を取得するあたり、完全にわれわれ居住者の期待を裏切った格好となりました。まさに、言語道断としか言いようがありません。今後の信頼回復を願うばかりです。
自宅以外の住宅部分および共用部分についての対策
話を戻し、続いて自宅以外の対応策を見てみましょう。自宅以外の住宅部分および共用部分については、以下のような策がなされています。
- 他住戸で発生した火災を早期に知らせるための感知警報装置の設置
- 火災住戸から共用廊下に漏れ出した煙を外部に排出するための設計あるいは装置の設置
- 建物の外壁や屋根・軒などに、延焼を防止できるだけの耐火性能を持たせる
火災はいつ、どこで発生するか分かりません。自宅が出火元となることもあれば、他住戸のこともあります。マンションは上下左右に住戸が隣り合っている関係上、他住戸からの出火でも自宅に影響を及ぼすことがあります。そこで、他住戸が火災になった場合、そのことを早期に知るための工夫が、第1番目の対応策です。自宅内に設置されたインターホンなどから、警報音が発せられる仕組みです。
次に2番目は、避難経路を確保するための対策で、煙によって避難ルートがふさがれないよう、排煙設備などを完備して煙の充満を防ぎます。開放廊下を採用しているマンションは、共用廊下に煙が充満する危険はありませんが、内廊下のマンションは心配です。ホテルの廊下をイメージしてみると想像しやすいでしょう。そこで、排煙のための開口部(逃げ道)を廊下に設けたり、機械によって強制排煙させるシステムを取り入れることで、煙の充満を防ぐようにしています。
そして、最後は隣接する建物から“もらい火”を受けた場合、自宅に被害が出ないようするための対策です。外壁や屋根などに耐火性のある建材を使用することで、防火性能を高めています。
マンションにお住まいの読者の皆さまは、自宅にどのような防火対策がなされているか、調べてみると面白いでしょう。
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