都会マンションのご近所トラブル
 
自宅マンションのエレベーターにもかかわらず、面識のない居住者と乗り合わせると、なぜか“気まずい”……「賢いマンション暮らし」読者の皆さまも、一度や二度は、こうした経験あるのではないでしょうか? 中には同じエレベーターに乗ることを嫌がって、足早に非常階段へ向かってしまう人を見かけることもあります。

確かに、最近は健康意識が高まっているだけに、メタボリック予備軍の方が階段を利用して自室まで歩くのはいいことでしょう(笑)。しかし、これが「気まずさ」からの逃避行動だとしたら、その方のマンション生活は『問題あり』と言わざるを得ません。集合住宅で暮らす以上、ご近所付き合いは避けて通れないからです。1つ同じ屋根の下で共同生活する以上、他の居住者との意思疎通を軽んじることは許されないのです。

そこで今回は、近所付き合いのトラブル実例を紹介。併せて、反面教師として同じ失敗を繰り返さないための知恵もお伝えしたいと思います。良好なマンションライフを演出するための予備知識として、ご活用いただくことを期待します。


音大生の住むマンション 間違える箇所まで覚えてしまう


ご近所トラブルの典型例として、騒音問題はもっとも身近で、かつ、切実な問題です。都内のあるマンションで、次のような騒音トラブルがありました。

そのマンションには音大に通う女子学生が住んでおり、毎日のようにピアノの練習をしていました。当然、一定の防音措置は施していましたが、趣味の演奏とは異なり音量も大きく、音漏れは近隣住戸にまで広まっていました。幸い、まわりの住民は、そのご家庭の娘さんが音大生であることを知っていたため、当初は「仕方ない」と我慢していました。勉学の一環として練習している音大生に、「演奏するな!」と言うのはあまりにも酷(こく)だからです。

しかし、さすがに“毎日”となると忍耐にも限界が来たのでしょう。ついに、階下の住民が行動を起こしました。ご近所トラブルの幕が切って落とされたのです。聞くところによると、連日のように文句を言いに部屋まで行ったそうです。これでは娘さんも、練習に身が入らなかったに違いありません。

さて、その後、どうなったか?……結末が気になるところですが、このケースでは加害者が“音大生”という特殊事情があったため、最終的には管理会社の仲裁のもと、どうにか関係を修復して一件落着となりました。トラブル前から交流があったことが、被害を最小限にとどめる要因となったもようです。

事後談として、自宅での練習曲が決まっていたのでしょう、下階の住民が「毎回同じメロディーのところで間違えるので、その曲を演奏し始めると、無意識のうちに今回は間違えないか注意して聞くようになった」と言っていたのが印象的でした。それほど、音漏れがひどかったということでしょう。

騒音トラブルは誰もが「被害者」にも「加害者」にもなります。この点が、最も身近で、かつ、奥の根深い問題といわれる所以です。マンションには『上階の床は下階の天井』という構造特性があります。このことを理解し、できるだけ物音を立てない生活を心がけることが必要といえるでしょう。

なお、解決のヒントとしては【関連記事】 上階の女性刺される「騒音トラブル」の恐怖 を併せてご覧ください。


続いて、次ページでは「プライバシーの侵害」に抵触するトラブル事例をご紹介します。