人間性・医学に対する考え方なども重視
医師に求められるものは…? |
まさむねさん(40代男性)
「医学部の入学者に求められるべきものは学力だけではないはずです。
いくら合格者平均を10点上回っていてもそれだけでは医学部に入学できると考えるのは間違いです。人間性、医学に対する考え方など重要な点はどうだったのでしょうか。また、群馬大は年齢制限していないといっているのでそのとおりではないでしょうか。」
確かに学力が高いだけでは医師になれない。この意見にあるように、面接では人間性や医学に対する考え方も重要視されると言う。群馬大学医学部では、大学入試センター試験、学力検査、面接、小論文、調査書で入学者選考を行っており、今回原告の女性を不合格とした理由として、群馬大学は「総合的に判断した」と説明している。しかし、筆記試験が平均より10点上回っていたにもかかわらず、どの点で不合格になったのか、原告の女性が納得できる説明や情報開示はされておらず、いまだ不十分だ。
ちなみに群馬大学医学部は年齢制限について、2005年7月の時点で下記のように記述していた。(現在は違う表現になっている)
「年齢制限はありません。制限があるとすれば、あなたの知力・体力・気力です。しかし、医師として活躍するには、6年間の課程に加えて、臨床研修2年間も含め卒後10年間くらいの経験が必要であることを考慮してください」
面接に配点が高い大学は年齢制限アリの可能性?
今回の訴訟において、面接試験の採点方法や選抜条件など核心の部分は明らかにならず、群馬大学は面接結果の開示には応じなかった。群馬大学に限ったことではないのだが、面接試験を課す大学では、明確な判断基準は公表していない。
興味深い分析がある。30代で地方の医学部に進学したI氏は、自身のホームページ上で、面接に重きを置いている大学は、再受験生に厳しいと分析し、次のように書いている。
「情報公開が進む中、歳をとっているからといって筆記試験の得点を意図的に操作することは大学側としてもまずできないでしょう。ただし面接や調査書点は違います。歳とった受験生にマイナス100点の逆ゲタをはかせることなんて容易にできます。僕も新卒採用の面接官をやってたのでよくわかりますが、どんなに良い人でもアラをだすことは簡単にできますし、「失敗した」と相手に思わせることも簡単にできます。千葉大が配点300点の面接を導入してから合格者年齢が若返ったのも、ある意味当然と言えるのかもしれません。」(子持ち30歳の医学部受験より引用)
実際I氏は、志望校選定の際、30代以上の合格実績がある大学を第一条件にあげ、群馬大学はその条件を満たさないと同ページで書いており、受験生の間でも同大は20代の受験生さえ(合格は)厳しいと噂になっているという。
◆年齢制限反対派もだまってはいない!後編では、年齢制限反対派、判決に対する怒りなどの意見を紹介し、学びと年齢の理想的な社会について考える。→後編へ
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