年齢を理由に不合格?群馬大医学部訴訟、認められず

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医師になる夢は叶わないのか…?
かねてから注目されていた訴訟の判決が出た。訴えていたのは、群馬大学医学部を年齢を理由に不合格にされたという東京在住の女性(56歳)。


同大を受験し、筆記試験では平均点を上回っていたものの不合格に。不合格の理由を群馬大学に問い合わせると「総合的に判断した」との回答があり、それでも納得できず食い下がると、入試担当者は「個人的な見解」とした上で、年齢が理由だったことをほのめかしたという。

判決が出たのは2006年10月27日。前橋地裁松丸裁判長は、「年齢により差別されたことが明白とは認められない」と原告の請求を棄却した。

2005年7月、「医学部受験に年齢制限は存在するか?」という記事を発表したところ、大きな反響があった。下記はその際実施したアンケートの結果である。



このアンケートによれば、約7割が年齢制限に反対しているが、一方、年齢制限を容認する意見を持つ人たちもいることが分かった。今回は容認派の意見を中心に紹介していこう。

少しでも長く働ける人に税金を!医学部受験は30代前半が限界


まずは年齢制限を容認する意見を紹介。

doctor Kさん(50代男性)
「医学部に入学すると、6年間授業や実習を行い、国家試験合格後臨床研修を2年行い、その後臨床経験を数年積んで初めて医者として通用するようになります。今回群馬大学を受験した方は56歳ということですから、一人前の医者として通用する頃には70歳という年齢になってしまいます。どんなに優秀であっても入学と同時に老眼もあり、機敏性に欠け、夜半にも続く実習をこなし、臨床実習を行うには体力の低下も考えねばならず、このような方を採用して医者としての教育を行うことは困難と考えられます。努力は認めますが、医者としての活躍をするには極めて難しいと思われます。医学部受験は30代前半が限界と思います。」

若僧さん(20代女性)
「55歳の方が医学部に入学したら、ストレートで卒業して61歳。2年間の研修を終えて63歳。2年間働いて65歳で定年ですか?(2年たって開業されるのなら別ですが。)申し訳ないですが、この方に国民の税金を使うよりもう少し長く働ける方に使ったほうがいいのではないでしょうか?医師不足が深刻は今、1人でも働ける医師が欲しいのが現実です。医学部は医師を育成する専門学校です。医療福祉を学びたいのなら、医学部でなくてもいいのではないでしょうか?他の学部と同じに考えるのはおかしいです。」

医師になるには、最短で約10年かかると言われている。まず6年間の修業年限を経て医師国家試験合格後、2年間の研修がある。さらに専門医に認定されるために2年から4年程度(学会により異なる)の臨床経験が必要だ。勤務医の場合65歳定年制があるため、この原告の女性が医師として世の中に貢献出来る期間はそれほど長くない。

「歳をとってから医学部に入りたいという気持ちは理解できる」という30代の女性は「一人前になるまでに10年かかるとは知らなかった。そうなるとせめて30代のうちに進学する方が、ゆくゆくはいいのかも。」と感想を送ってくれた。

また、50代~60代の人たちに話を聞くと、「歳を取ると老眼や体力・気力の衰えなどが嫌でもはっきり見えてくる。この年齢の医師を養成するよりは、やはり若くて可能性のある人に税金を使って欲しい」という意見が多く聞かれた。


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