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評価されるべき人が評価されない日本の風土(3ページ目)

日本には、すばらしい発明やアイデア商品、プロダクトなどを生み出した人が数多くいる。しかし評価されるのは国内ではなく、海外だったりするのも事実。なぜ、日本は評価されるべき人が、きちんと評価されないのか。

執筆者:木村 勝己


ノーベル賞の田中耕一氏の場合

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ノーベル賞メダル(白川英樹博士)のホログラフィ映像写真(ホログラムは東京工業大学所有)

 

このような例はごく最近でもある。ノーベル化学賞を受賞した田中耕一氏の場合である。マスコミでは「全く無名な技術者の授賞」と話題になった。島津製作所での肩書きは主任(ノーベル賞受賞後は、フェロー及び田中耕一記念質量分析研究所 所長)である。受賞決定と同時に社内外の評価が急騰したそうだ。今までの人事制度では評価できないものが、独創の世界にはあるといえる。

田中氏が日本の質量分析学会の年次会議で論文発表したときは、誰もが役に立つようになるとは信じなかった。 その後の日中質量分析シンポジウムで、米国のコッター教授に見出され、大阪大学の松尾教授の強い勧めで、英語版論文を投稿したことが今回の受賞につながったという。ノーベル化学賞選考委員会に認められたのである。これらはほんの一例だが、欧米と日本の研究姿勢の違い、評価の違いがみえる。欧米には、独創技術を育む科学技術風土が確実にあるようだ。

民族の持つ精神

農耕民族である日本人には「和の精神」が根付いている。周りとの協調を重んじる社会である。狩猟民族である欧米の「競争社会」とは方向が異なる。戦後、技術立国として日本が復興するには、この和の精神は大きく貢献した。

物不足の時代、世の中は大量生産、大量消費へと向かった。日本の製造業には均一な労働力が必要とされたのである。チームワークを良しとし、体育会系出身が求められる風潮もあった。このため横並び意識がはびこり、義務教育はこの平均レベルを上げるのに貢献した。メイド・イン・ジャパンは高品質の代名詞となり、日本の製造業が強い競争力を維持することになる。そして国民総中流意識の時代が続くのである。

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