マーケティング/マーケティング事例

マーケティング的コスト削減の極意

未曽有の経済不況の中、企業は涙ぐましいコスト削減努力を行っていますが、今回は効果的なコスト削減を顧客の価値という観点から行う方法をお伝えしていきます!

安部 徹也

安部 徹也

マーケティング戦略を学ぶ ガイド

MBA Solution代表。講演や書籍執筆、メディア出演など多方面で活躍。主宰する『ビジネスパーソン最強化プロジェクト』は2万5千人以上のビジネスパーソンが学ぶ。

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三菱自動車が新たに始めたコスト削減の秘策とは?

来客にコーヒー・紅茶を出さないコスト削減策は物議を醸した。
2009年に入り益々混迷を深める経済環境。毎日のように発表されるトヨタやソニー、東芝などの日本を代表する企業の決算予測は1000億円規模の営業赤字を見込むなど、その厳しさはこれまでに経験したことのない正に100年に1度の経済不況と言っても過言ではない様相を呈してきました。

企業が利益を上げるためには、売上を上げるか、費用を下げるかのどちらかしか方法がないわけですから、売上が上がらないとなると、費用を極限まで削減しようという企業の努力は当然のことと言えます。

そんな中、最近三菱自動車が取り組み始めた経費削減策が物議を醸しています。

その経費削減策とは本社への来客に対してコーヒーや紅茶を出すサービスの廃止。これまで三菱自動車では社内の喫茶店からコーヒーや紅茶を運んで来訪客に提供していましたが、少しでも経費を削減しようとこのサービスを昨年末から廃止してしまったのです。

通常、経費削減と言えば、社内で光熱費やコピー代を節約する方法などは多くの会社で活用されていましたが、お茶出しを廃止するなどお客様に対する経費削減の取り組みはこれまでにあまり類を見ない方法です。

実際にはそれほど大きな経費削減効果を見込めるとは思えませんが、工場など現場がギリギリのところで経費削減を行っている中で、本社部門でもできる限りの経費を切り詰めていくという姿勢をアピールすることを目的にしているとのこと。

ただ、お客様をおもてなしするという意味でのコーヒーや紅茶の提供を廃止して、お客様の気分を害したり、そこまで業績が悪化しているのかという信用不安を引き起こしたりするようなことがあれば、経費を削減する以上の売上減少に繋がるのではないかという批判の声もあることも事実です。

未曽有の不況を乗り越えるマーケティング戦略的なコスト削減策とは?次ページでお伝えします!
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