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4月18日の”発明の日”によせて 特許制度の成り立ちを見る!(3ページ目)

4月18日は発明の日である。日本最初の特許制度である専売特許条例が公布された日となっている。これを機会に特許制度の必要性を歴史を見ながら考えてみたい。

執筆者:木村 勝己


米国は先発明主義で特許制度

ヨーロッパからの技術導入で工業化を開始したアメリカは、1787年に憲法制定の際、第1条で特許権に言及している。そして1790年には連邦特許法が制定されたのである。先発明者主義の内容であり、世界で2番目の特許法となる。

第16代大統領リンカーンは、特許権による強い保護政策を進め、プロパテント(特許重視)政策を打ち出した。“特許制度は、天才の火に、利益という油を注いだ”との名言を残している。そしてエジソンら発明家が活躍し、ロックフェラー、カーネギーといった大企業や財閥が生まれたのである。

1791年、フランスにも特許法が制定される。当初は無審査主義で進めていたが、世界の情勢に合わせて、1978年に審査主義へ移行している。1877年にはドイツでも特許法が制定された。

日本は専売特許条例を公布

わが国に特許制度が出来るきっかけは、福沢諭吉から始まる。ヨーロッパ使節団の一員として、諸国を訪問し諸制度を見聞した諭吉は、帰国後に書いた「西洋事情」の中で、特許制度について紹介している。そしてこの出版から20年後に「専売特許条例」が公布されることとなる。

この「専売特許条例」の立案、公布は高橋是清によって行われた。高橋是清は「大英百科辞典」やイギリスの「専売条例」をもとに、特許研究を進め、また工業化の進んだ欧米諸国の現状を目の当たりにし、遂に明治18年4月18日に「専売特許条例」を公布したのである。

そして次ページのように初代専売特許所長が生まれた。
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