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4月18日の”発明の日”によせて 特許制度の成り立ちを見る!(2ページ目)

4月18日は発明の日である。日本最初の特許制度である専売特許条例が公布された日となっている。これを機会に特許制度の必要性を歴史を見ながら考えてみたい。

執筆者:木村 勝己


ガリレオも特許取得

世界最初の成文化された特許法は、1474年にヴェネチア共和国で成立し施行された発明者条例であるとされている。イタリアの北部の都市国家であり、ルネッサンス文化が花開いた時期である。

天文物理学者のガリレオ・ガリレイも、1594年に馬の力で効率的に揚水し畑に灌漑(かんがい)する、灌漑用水装置について特許を取得している。ガリレオのこの特許は20年間保護されたそうだが、ヴェネチアの発明者条例では、10年間の独占権が得られたそうだ。

近代特許法はイギリスから

現在のような特許制度が確立されたのは近代化出現期のイギリスであった。1624年、イギリス議会は発明者に一定期間の市場独占を与え、侵害者への賠償請求権を認める専売条例(Statute of Monopolies)を制定した。これは近代特許法の原型といわれるものだ。

イギリスは島国のため大陸から技術がなかなか伝わらなかった。16世紀の頭、イギリス国王は大陸の毛織物生産技術を導入するために毛織職人を招いた。そして国内の排他的なギルド(職能組合)に対抗して、許諾実施権(Letters Patent)を与え保護したのである。

特許制度の整備で産業革命

さらにエリザベス一世は大陸から優秀な技術者を呼び寄せるために、今の特許権と同じ独占的実施権を技術者に与えたのである。このようにイギリスでは、発明のインセンティブを高める制度を整えたことで産業革命が始まったとされる。

ワットの蒸気機関、スチーブンソンの蒸気機関車、アークライトの紡績機などの発明が、専売条例で保護されたのである。

イギリスに続いて次ページのように米国でも特許制度が生まれた。
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