難しいものを易しくすればマーケットが飛躍的に広がる！
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| 初心者を対象にするほどマーケットは大きくなる！ |
マーケットを上級者、中級者、初心者という分類で区切ると、その分布は三角形になります。上級者は極端に少なく、中級者、初心者に行くに従ってその人数は多くなってきます。ですから、上級者のマーケットは小さく、初心者のマーケットは非常に大きいと言えます。ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』はもともと上級者向けの難解な文学ですから、マーケット的には非常に小さなものでヒットを望むことは難しい。そこで、新しい訳ではターゲットをむしろ初心者に定めて、難易度を低くすることによって、飛躍的に大きくなったマーケットの中で顧客の心を捉える事が出来たということになります。
加えてもう1点挙げたいのがリピーターの存在です。かつて学生時代などに一度『カラマーゾフの兄弟』を読んだけれども難しすぎて理解できなかった昔の読者が、わかりやすくリニューアルした新訳の『カラマーゾフの兄弟』を再度購入するパターンも考えられます。このようなリピーター読者は全く初めての読者よりも古典的な名作に対して購入への垣根が更に低いという特徴があります。
いずれにしろ、古典的な名作と呼ばれる作品は内容がもともと素晴らしいだけに、少し磨きをかけるだけで、時代を超えてヒットさせることができるということが証明された格好になります。“本物”のプロダクトは時代を超越するのです。
最近『人間失格』や『カラマーゾフの兄弟』という古典的な文学が連続してブームになっている傾向を勘案すると、今後も更に時代を超えた名作の中からヒット作品が誕生する可能性は高いと言えそうですね。
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