商品が売れ過ぎて悲鳴を上げる企業

290円の中華そばが売れ過ぎて困った幸楽苑。
通常マーケティング戦略を駆使して商品が爆発的に売れると企業とすればうれしい悲鳴を上げるもの。ところが逆に商品が売れ過ぎたために業績が悪化して本当の悲鳴を上げる企業も存在します。

そのうちの一つの企業に関東や東北を中心におよそ360店舗を展開するラーメンチェーンの幸楽苑があります。

幸楽苑は1杯390円という格安のラーメンで人気を博し、業績が急成長。2003年3月にはラーメンチェーンとしては初めて東証1部に上場を果たしています。ところが2006年5月に競合店の格安ラーメンに対抗するために主力の中華そばを1杯390円から290円へ値下げ。思惑通りお客の人気は上々で来店客は増えて売上は伸びたものの、なんと来店客の60%が290円の中華そばを注文するという予想外の事態に・・・。中華そばは原価率も高く、幸楽苑にとってはあまり“おいしくない”商品。マーケティング戦略が功を奏して、来店客が増えたというのに業績は逆に悪化してしまったのです。

2005年3月期には7億円近くあった連結ベースの当期利益も2006年には3億円、2007年にはなんと1億円にまで減少してしまいます。

このように値下げというマーケティング戦略の切り札を使って来店顧客を増やしたのはいいのですが、逆に業績が悪化したのはなにも幸楽苑だけではありません。ファーストフードのガリバーであるマクドナルドも値下げという切り札を切って業績が悪化。赤字にまで転落した過去があります。1995年当時は210円だったハンバーガーを130円、80円、65円と段階的に値下げしたところ、急激な円安で原価率が上昇。ところが一方で客単価は値下げによって下落していて、コストをカバーしきれなくなって赤字に転落してしまったのです。

このように、かつてのマクドナルドと同じようにマーケティング戦略のレバレッジを効かせ過ぎて業績悪化を招いた幸楽苑ですが、どのようにこの状況を立て直すのでしょうか?

昨年10月に業績悪化の責任をとって退任した社長の後を受け、創業家の新井田会長が社長にカムバックしました。果たして新社長が業績回復のために取った秘策とは?次のページへお進み下さい!